52.1％の企業が人手不足であると回答しており、人手不足が深刻化している。ホテル業は観光客が戻り需要が急増しており、今回4人の従業員で切り盛りするホテルに密着した。従業員は様々な工夫をし、支配人自ら料理を作っていた。
山梨県山中湖村の山中湖から徒歩3分のホテル「富士山中湖ホテル」は10畳一間の和室タイプで、宿泊料は家族4人で利用した場合1人1泊約3600円からである。ホテルはコロナ禍でスタッフを削減しており、現在4人の従業員が在籍している。現在は当時の約10倍問い合わせが増えているが、従業員が確保できず全32部屋を4人で管理している。新支配人の下、立て直しの真っ只中である。部屋には人手不足に関するメッセージが置かれている。
午前7時、宿泊客のチェックアウトに合わせ早番スタッフ2人体制で仕事がスタートする。午前10時、スタッフ4人全員が揃うとそれぞれの役割を確認するミーティングを行う。チェックイン開始の午後3時に向け、スタッフ全員で準備をする。午前11時、支配人含め3人で客室の清掃を行い、1人はフロントで電話対応をしている。清掃は1人が部屋からシーツを運び出し、もう1人が回収し、もう1人がシーツを交換する。作業を分業制にすることで効率が上がり、時間短縮になる。掃除機は改造した子ども用リュックを取り付け背負いながら使っており、約20分作業が短縮できたという。稼働させる部屋は約3分の2に制限し、休館日を週1～2回設けている。午後3時、チェックインが開始し訪れた宿泊客に自ら布団を敷いてもらうなどのセルフサービスをお願いした。露天風呂は手間のかかる手入れやメンテナンスで現在閉鎖しており、再開のめどは立っていない。料理担当のスタッフがいないためレストランの利用を停止し、基本的に素泊まりのみとなっている。宿泊客限定で手作りの「チキンカレー」を提供しており、盛り付けはセルフでおかわり自由となっている。カレー作りは支配人が1人で担当している。