- 出演者
- 伊藤良司 西川典孝 林田理沙 久保井朝美 荒木さくら ホルコムジャック和馬
オープニング映像。
APEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議出席のためペルーを訪れている石破総理大臣。就任後、初めて米国のバイデン大統領や中国の習近平国家主席と対面での会談に臨んだ。日本時間のけさ行われた石破総理大臣と中国の習近平国家主席との日中首脳会談。会談は30分余り行われ、戦略的互恵関係を包括的に推進していく方向性を確認した。また、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出を巡り、先に両国が合意した日本産水産物の輸入再開を実行していくことを申し合わせた。一方、石破総理大臣は東シナ海情勢や中国軍の活動の活発化への懸念を伝え、両首脳はさまざまな意見の相違がある中でも、今後も会談を重ねていくことで一致した。
これに先立ち、石破総理大臣は米国のバイデン大統領と会談。日米同盟のさらなる強化を確認した。また、韓国のユンソンニョル大統領も交えた日米韓3か国の首脳会談では、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返し、ロシアとの軍事協力を進めていることに深刻な懸念を共有し、緊密に連携して対応することを確認した。また、3か国のさらなる連携強化に向けて調整を担う事務局を新設することになった。
トランプ政権への移行を控え、米国バイデン大統領との首脳会談となったが、どんな狙いがあったのか。政治部官邸キャップ・太田雅志の解説。双方政権が変わっても、日米関係は強固だという姿を内外に示す狙いがあったと思う。あわせて行った日米韓3か国の首脳会談で、さらなる連携強化の調整を担う事務局を設けることになった点からは、トランプ政権になっても3か国の枠組が崩れないよう環境整備を図ろうという思惑が見てとれる。一方、石破総理がトランプ氏との関係作りに向けて調整していた会談は、現時点では固まらず、政府関係者は次の機会を探ることになるかもしれないと話している。対中関係について。
岩屋外務大臣がウクライナのブチャを訪問し、ロシア侵攻の犠牲者を悼んだ。岩屋大臣は、ゼレンスキー大統領など政府要人と会談する方向で調整している。
今、世界中の観光地ではオーバーツーリズムが問題となっている。同じように多くの人が訪れるようになって問題が生じている意外な場所が、世界最高峰のエベレスト。氷を砕き埋まったものを掘り出す人たち。集めていたのは大量のごみ。登山客が長期にわたる工程の中で捨てていったもの。かつては訓練を積んだ登山家が挑む難関だったエベレスト。近年、手厚いサポートを受けられる登山ツアーが続々と誕生したことで、その門戸が広がり、年間1000人近い人が訪れるようになった。その結果、放置される登山道具や排せつ物などが増えてしまった。
貴重な観光資源を守ろうとネパール政府は3年前、国を挙げた本格的な清掃作戦に乗り出した。ことしは軍の兵士や登山家など50人余りからなる清掃隊を編成。標高5300mのベースキャンプから標高8000mまでの登山ルートやその周辺が対象となった。清掃作戦は命懸け。厳しい寒さと空気が薄い中で、時にはごみを背負って氷の崖を下りなければならない。作戦は、およそ2か月にも及んだ。エベレストなどで回収されたごみが保管されている倉庫(カトマンズ近郊)には、ガス缶、登山用ロープなど多くのごみが山積みとなっている。今回、回収されたごみの量は11トンにも上った。
過酷な清掃作戦をサポートしようと新たな取り組みも始まっている。ネパール政府が期待を寄せているのがごみを運搬するドローン。氷点下30度を下回ることもある山頂付近でも稼働できるよう、加熱機能の付いたバッテリーを搭載。一度に最大50kgのごみを運ぶことができる。ことし5月には標高6000mの環境下でごみを運び出すことに成功。今後は、さらに改良を加え、実際の清掃作戦で力を発揮できればと考えている。
こうした深刻な状況を受け、ネパール政府はごみの持ち帰りを義務化。登山客には1グループあたりあらかじめ4000ドル(60万円余)を払ってもらい、1人に対し8kg以上のごみを持ち帰れば返金するというルールを設けている。さらにネパール政府観光局によると、山の上での監視も必要だとして、ベテランの登山家や警察、軍で作る専門の監視部隊を結成する方針だという。
来年春の開学が決まった通信制のZEN大学の会見。情報や文化、思想など6分野についてオンラインで学ぶことができる。1学年の定員は3500人と通信制としては異例の規模。日本財団と共に計画を進めてきたIT大手のドワンゴは、通信制高校の運営にも関わってきた。高校には、およそ3万人の生徒が学んでいて、学習面での連携も計画しているという。全国のどこに住んでいても授業を受けることができ、地方の私立大学の中からは脅威と受け止める声も上がっている。18歳人口が減少する中、全国の私立大学のおよそ6割で入学者数が定員に達しない定員割れとなっている(日本私立学校振興共済事業団/今年度の調査)。さらに、2050年には大学の入学者数がおよそ20万人減少し、42万7000人あまりになるという試算も(文部科学省の試算)。仮に、去年の入学定員を維持した場合、2050年には定員は7割ほどしか埋まらなくなる。文部科学省の中教審の特別部会は、さらに募集の停止や経営破綻に追い込まれる大学が出ることは避けられないと指摘している。
新しい形の大学の出現。地方の大学は、どのように向き合っていくのか。宮崎県都城市にある私立の南九州大学。農業や園芸系の学部などがあり、学生のおよそ6割は県内出身。60年近い歴史があるが、近年は定員割れの状態が続いている。大学が生き残りのために力を入れているのが農業など宮崎県の基幹産業の分野の人材育成や研究。地域のニーズに応えた新しい品種の開発や地元の農家が指導する実習など、地域との関わりを通したリアルな学びに力を入れている。さらに、短期大学部の募集を来年の入学者を最後に停止し、新たな学科を設けることも計画。食や医療の専門性を持ったデジタル人材を育成するという。専門家の熊本大学・鈴木克明名誉教授もこれまで以上に各大学の持つ強みが問われていると指摘している。南九州大学・吉本博明副学長のコメント。
実業家・イーロンマスク氏はソーシャルメディア「X」を手がけ、今週には次期トランプ政権での起用が明らかになった。早速、Xに「政府を効率化するか米国が破産するかだ。政府を再び楽しくする」と意気込みを投稿。マスク氏これまでには、EVメーカー「テスラ」を立ち上げて世界トップのメーカーに成長させ、自動車業界のEVシフトを先導。さらに、「スペースX」を率いてロケット開発に着手。先月には再利用を目指して発射台でロケットをつかんでの回収に成功した。しかし、時には物議を醸す行動も。選挙期間中、署名に応じた有権者に抽せんでおよそ1億5000万円を毎日配った。政治の世界に進んだマスク氏、懸念もある。おととし、ソーシャルメディア大手「旧ツイッター」を買収。連邦議会乱入事件を巡り、暴力を誘発するおそれがあるとして永久停止されていたトランプ氏のアカウントを復活。一方で、取材を担当する複数の記者のアカウントを説明もなく一時、停止する措置も。ソーシャルメディアのトップと権力者との密接な結びつき。情報空間への影響を考える。
- キーワード
- XX Corp.イーロン・マスクイーロン・マスク ツイッタースペース・エクスプロレーション・テクノロジーズテキサス州(アメリカ)テスラドナルド・ジョン・トランプドナルド・ジョン・トランプ Xペンシルベニア州(アメリカ)
イーロンマスク氏の「X」のフォロワー数は2億超。マスク氏は7月、トランプ氏を支持することを表明。その後、米国大統領選挙に関連した投稿を746件発信。その閲覧数は170億回に上る。その中には多くの誤情報も含まれている。ある投稿は、不法移民の数だとするグラフにあわせて民主党が有権者を輸入していると主張。しかし、米国メディアは移民はすぐに有権者にはなれないなど誤りを指摘。ほかにもグラフや表を示すなどさまざまな形で同じ内容を少なくとも68件投稿。Xには、こうした誤情報が拡散しないための機能がある。それが誤った情報を指摘してくれるコミュニティノート。指摘できるのは利用者のうち事前に登録した一部の人たち。コミュニティノートの仕組みを解説。マスク氏の投稿は誤った情報にもかかわらずコミュニティノートの指摘が表示されていない。どうしてなのか検証した。
マスク氏の投稿は誤った情報にもかかわらずコミュニティノートの指摘が表示されていない。どうしてなのか検証した。ことし9月以降のマスク氏の投稿には、誤情報とする指摘が900件余り提案されていたが、「表示しなくてよい」という評価が全体の7割以上を占め、ほとんどが一般の利用者には届かない状況になっていた。
「X」で誤情報を指摘するコミュニティーノートの仕組みでは、災害や事件、事故をめぐる誤情報の拡散を抑止するのに一定の効果があるとされている。一方で、今回の大統領選挙のように立場によって意見が分かれるテーマでは、たとえ誤情報であっても拡散を防ぐ仕組みが機能しないリスクが見えてきた。この仕組みについて、メディア法が専門の関西大学・水谷瑛嗣郎准教授は、コンテンツを管理する1つの方向性として有効と評価したうえで、「コミュニティノートの機能は発展途上のものだと思う。どういう問題があったのかとか、オープンに議論していくことは大事」と述べている。また、Xを所有するマスク氏が政権で役割を担うことについては、「コンテンツの正常化をしていこうという研究機関に対して圧力がかかったり、そういう方向に向かっていくのではという点は少々懸念している。プラットフォームにどういう影響があるのか外部からチェックしていく仕組みが重要」と述べている。
米国の複数のメディアは、イーロンマスク氏への不満などから一般の利用者がXを離れてほかのSNSに流れているとの見方を伝えている。また今週、英国の有力紙ガーディアンは、Xへの記事の投稿を取りやめることを明らかにした。その理由についてホームページでは、「Xは有害なメディアプラットホームで、マスク氏が政治的に言いたいことを形づくるために利用している」と批判。
中世の建築技法を使って再建されたノートルダム大聖堂。大聖堂のシンボル、高さ96mの尖塔も戻ってきた。ノートルダム大聖堂は5年前、大規模な火災に遭い大きな被害を受けた。尖塔にも燃え広がった炎。天井が焼け落ち内部は、がれきの山になった。あの日から5年あまり、当初は新型コロナの影響もあって修復には10年以上かかるとも言われていた。ノートルダム大聖堂が来月再開されるのを前に、東京都江東区の日本科学未来館では、その修復の様子を最新技術を使って紹介する特別展示会が開かれている。専用のタブレットを使って修復作業を見ることができる。なぜ、大聖堂は5年余りという短時間で再建できたのか。再建を支えたのは日本をはじめ世界各国からの寄付金。日本円でおよそ1400億円という豊富な資金が集まった。もう一つ、鍵となったのはデジタル技術の活用。実は火災前の大聖堂の3Dスキャンのデータが残されていて、これが復元を大きく前進させる助けとなった。
デジタルチームはまず、火災前のデータなどを使ってバーチャル空間に精密な大聖堂を再現。火災後、ドローンやスキャナーを使って焼けた天井など被害の状況をくまなく撮影。さらに、崩れ落ちた木材や石材などがどこに落ちたのかも詳細に記録。そして、バーチャルの大聖堂に各分野の専門家が入って、焼け残った部材がどこにあったかを探り出し、組み込むシミュレーションが可能となった。こうしたことが工事の大幅な効率化につながった。そして、今回の修復の過程をデジタル化することによって、ノウハウを後世に残すことができるという。
(中継)山梨県・山中湖村。「夕焼けの渚紅葉まつり」。
- キーワード
- 夕焼けの渚・紅葉祭り山中湖村(山梨)