きのう中国で政府が主催した合同結婚式の様子を紹介。1万人が参加し、これまでに例のない大規模な催しだったということだが、こうした式典を開催した背景には中国が今、抱えるある社会問題が大きく影響している。中国・北京、世界遺産、故宮に隣接する公園では道の両端には何かが書かれた白い紙がずらり。結婚相手に求める条件が書かれたこの紙は婚活チラシ。彼らは熱心に子どもの婚活に取り組む親たち。公園にはチラシを読み込みわが子の結婚相手を探しにくる親の姿も。中国では今、婚姻件数が急減している。去年はピークだった2013年から半減。さらに今年の上半期は343万組と前の年から1割以上減少していて社会問題となっている。中国では男性側が高額な結納金に加え、家や車など日本円で数千万円を支払うケースもあり、景気が停滞する中で結婚離れが加速している。さらに中国では去年だけでおよそ1万5000軒の幼稚園が閉園に。背景にあるのは急速に進む少子化。去年の出生数は902万人と建国以来、過去最低を更新。婚姻件数と比例するように出生数もこの7年間でおよそ半数に急減している。そうした中、きのう開かれたのが山東省の合同結婚式。政府主催のこの合同結婚式には過去最大規模となる男女5000組、あわせて1万人が参加。中国各地の50の会場をオンラインでつなぎ一斉に開催された。式の参加者たちには結納金は支払わないとする誓約書への署名が義務付けられるなど金のかからない結婚をアピールする狙い。急速な少子化に危機感を抱く習近平指導部。これまで結婚に必要だった親が管理する戸籍簿の提出を不要とする条例の改正案を先月公表。男女の同意だけで結婚できるようにする方針。