南海トラフ巨大地震の国の新たな被害想定では、想定震源域の西側や東側の片方で、いわゆる半割れが起きた場合の試算が初めて盛り込まれた。死者は東側で7万人余り、このうち津波で2万9000人。西側で10万人余り、このうち津波で6万6000人と甚大な被害が示された。ただ、時間差で相次いで地震が起きる可能性がある半割れの場合、最初の地震のあとにもう片方の地域で避難が進めば被害を大幅に減らせるという試算も示された。半割れのあと、時間差で起きる可能性のある巨大地震に、いかに備えるかその効果を示すための試算。想定震源域の東側で最初の巨大地震が起きたとする想定。この場合、南海トラフ地震臨時情報、巨大地震警戒が発表される。西側の紀伊半島から九州にかけての地域で、1週間の事前避難が行われ、その間に次の巨大地震が起きるとすると一定の浸水が想定される地域の全員が避難していれば、津波の死者は700人まで減らすことができるとされた。事前避難はしないものの、地震発生後すぐに避難する人が多い場合は1万3000人になる。
今度は反対に、西側で先に地震が起きて東側の東海から近畿で事前避難が行われるケース。その間に東側で次の巨大地震が起きた場合は津波の死者は10人。すぐに避難する人が多い場合は7900人まで津波の死者を減らすことができる。改めて示された避難の重要性。沿岸の自治体では去年発表された南海トラフ地震臨時情報、巨大地震注意の教訓を踏まえて対策の検討を始めている。全国で最も高い34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町。去年、臨時情報が発表された際、町は高齢者などに避難を呼びかけた。ところが避難所での生活に疲れ、途中で避難をやめる人が相次いだ。もし東側で半割れが起きれば、もっと長く避難を続けなければならないため対策の必要性を感じている。高知 黒潮町情報防災課・村越淳課長は、1週間という長い期間の避難になるので、避難所の環境を整えなければならないと話していた。一方、去年の臨時情報が阿波おどりの期間と重なった徳島市。観光客への避難ルートの周知などに追われた。その経験を踏まえて徳島市は、臨時情報が発表された場合の対応計画を新たに定め今月1日に公表。去年の巨大地震注意より段階が上の巨大地震警戒が発表された場合、阿波おどりは中止を要請するとしたほか、市立の幼稚園と小中学校、高校は1週間休校休園とするなどとしている。徳島市・井水貴之危機事象対策指導監は、去年の巨大地震注意を受けて、考えている暇はないと強く感じた、周知していくことが大事だと話した。
今回の半割れの被害想定をどう受け止め活用すべきか。地域防災に詳しい九州大学・杉山高志准教授は「臨時情報にうまく対応していく必要性を社会で十分共有するその根拠になるという点で半割れ想定の被害想定をうまく活用するということは各自治体であるとか地域でもできると言える」とコメント。
今度は反対に、西側で先に地震が起きて東側の東海から近畿で事前避難が行われるケース。その間に東側で次の巨大地震が起きた場合は津波の死者は10人。すぐに避難する人が多い場合は7900人まで津波の死者を減らすことができる。改めて示された避難の重要性。沿岸の自治体では去年発表された南海トラフ地震臨時情報、巨大地震注意の教訓を踏まえて対策の検討を始めている。全国で最も高い34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町。去年、臨時情報が発表された際、町は高齢者などに避難を呼びかけた。ところが避難所での生活に疲れ、途中で避難をやめる人が相次いだ。もし東側で半割れが起きれば、もっと長く避難を続けなければならないため対策の必要性を感じている。高知 黒潮町情報防災課・村越淳課長は、1週間という長い期間の避難になるので、避難所の環境を整えなければならないと話していた。一方、去年の臨時情報が阿波おどりの期間と重なった徳島市。観光客への避難ルートの周知などに追われた。その経験を踏まえて徳島市は、臨時情報が発表された場合の対応計画を新たに定め今月1日に公表。去年の巨大地震注意より段階が上の巨大地震警戒が発表された場合、阿波おどりは中止を要請するとしたほか、市立の幼稚園と小中学校、高校は1週間休校休園とするなどとしている。徳島市・井水貴之危機事象対策指導監は、去年の巨大地震注意を受けて、考えている暇はないと強く感じた、周知していくことが大事だと話した。
今回の半割れの被害想定をどう受け止め活用すべきか。地域防災に詳しい九州大学・杉山高志准教授は「臨時情報にうまく対応していく必要性を社会で十分共有するその根拠になるという点で半割れ想定の被害想定をうまく活用するということは各自治体であるとか地域でもできると言える」とコメント。