パリパラリンピックは、日本時間のきょう未明に閉会式が行われ12日間の熱戦に幕が下ろされた。日本は金メダル14個を含め銀と銅と合わせて41個のメダルを獲得した。最終日に行われたマラソン男子の車いすのクラスでは千葉県館山市出身の鈴木朋樹選手が出場。30歳の鈴木は序盤3位につけてレースを進め一時、1分近く離されていた2位の選手の背中を捉えラストスパート。4秒差で届かなかったがこの種目で自身初の銅メダルを獲得。諦めない姿勢がメダルにつながった。鈴木の中学時代の体育の先生で現在は教頭を務めている関口尚道先生によると、中学校時代の鈴木選手は体育も勉強も生徒会も頑張るリーダー的な存在だった。ことし7月には全校生徒のメッセージが書き込まれた応援の旗などを鈴木選手に届けたという。柔道女子70キロ級視覚障害の軽いクラスでは千葉県市原市出身の小川和紗選手が2大会連続の銅メダルを獲得した。現地で取材に応じた小川選手は「東京大会同様、メダルがあるかないかでは世界がぜんぜん変わるのでとって帰ろうという気持ちで切り替えた」と話した。今後については「まだ決まってない。日本に帰って焼き肉を食べて考える」と話していた。競泳では東京江戸川区出身の辻内彩野選手が女子100メートル自由形視覚障害のクラスで銅メダルを獲得した。東京都内のスポーツクラブでは辻内をコーチしている佐藤裕と本人や家族と交流を重ねてきた今野延江に話を聞いた。抵抗の少ないまっすぐな水中姿勢が持ち味の辻内選手は小学生のときに水泳を始めたが、大学1年生のときに視力低下や視野の異常を生じる進行性の難病と診断された。2度目の大舞台となったパリ大会。症状の進行で今回、障害が2番目に重いクラスに出場し、念願のメダルを獲得した。4年後のパラリンピックは米国ロサンゼルス大会となる。