ウクライナの和平への道筋を協議する「平和サミット」が16日閉幕した。ロシアを非難する共同声明を多くの国が支持するなか、グローバルサウスと呼ばれる新興国などは賛同しなかった。ゼレンスキー大統領は、開催国のスイスはもちろん、アフリカのガーナや南米のチリの大統領らと共同で会見し、「ウクライナとすべてのパートナーにとって大きな成功です。私たちの目的は、世界のすべての国がこの崇高な考えに加わることです」と、全世界から幅広く支持を受けたとアピールした。2日間にわたって行われた「平和サミット」では、「ロシアは大規模な人的被害と破壊を起こし続けている」とロシアを非難する共同声明を採択した。また、ウクライナのザポリージャ原発をウクライナの管理下にすることや、食料の安全を保障するために黒海の航路への攻撃は容認できないことなどが明記された。共同声明は参加した100の国や組織のほとんどが支持した。一方で、グローバルサウスとよばれるインドやサウジアラビアなど、ロシアとの関係を維持したい一部の国は賛同しなかった。今回参加した国からは「サミットにロシアも参加させるべきだ」という声も上がっている。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、平和サミットをめぐり「彼らは和平について語っていない。」と反発した。その上で「ウクライナの状況は悪化の一途をたどっており、ウクライナ4州からの撤退などを前提にしたプーチン大統領の和平案について検討するべきだ。」と述べ、ロシアとウクライナの主張は平行線のままとなっている。和平に向けた枠組みの実効性をどこまで高められるのか、ゼレンスキー大統領の手腕が問われている。