1961年に出版された本「かえらぬ鶴」。広島に投下された原爆で被爆し、戦後後遺症による白血病で亡くなった女性の日記が収められている。福岡県田川市に住む木村眞美さん。母親の被爆の記憶をたどるため、4月に広島を訪れた。広島に原爆が投下された1945年8月6日。12歳だった母・奈々子さんは、爆心地から約1.2kmの場所にあった国民学校で被爆したとみられている。戦後結婚し、眞美さんがうまれた。しかし、程なくして被爆の後遺症とみられる白血病を発症。眞美さんが3歳のときに26歳で亡くなった。母・奈々子さんが病床で綴っていた日記には、わが子への思いと死と向き合う悲痛な声が綴られていた。眞美さんは幼いころから祖母に連れられ、平和活動に参加していた。再び世界で高まる核の脅威に被爆2世としての使命を考えるようになったという。福岡県の被爆2世の会から声がかかったのが今回の広島訪問だった。リニューアル後に初めて訪れた原爆資料館。今回眞美さんは、母が被爆した場所として祖母から伝え聞いていた小学校を初めて訪れた。校庭にはあの日被爆した木が残っていた。母から受け取ったバトンを次の世代へ、眞美さんは被爆2世としての決意を新たにした。
住所: 広島県広島市中区中島町1-2
URL: http://www.pcf.city.hiroshima.jp/
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