農林水産省が先月調査したスーパーなどで販売されるキャベツの平均価格は1キロ当たり453円と平年のおよそ3.3倍になっている。「キャベツショック」今の状況をこう表現するのは府中市にあるラーメン店。看板メニューはキャベツやほうれんそうが山盛りにのった野菜盛りラーメンだが、先月から提供を中止することに踏み切った。キャベツの仕入れ価格は通常6玉1500円程度のところ現在は3500円程度と2倍以上になっている。店ではキャベツを使ったメニューの提供自体を一時中止している。去年5月に取材でお邪魔した際にはキャベツを含む食材の高騰が続く中でラーメンの価格を100円値上げする決断をしていた。今回はその当時よりも仕入れ値が上がっているという。千葉県銚子市のキャベツ畑では今月に入って収穫は本格的に始まっているが、よく見るとまだ十分に大きくなっていないキャベツが見られた。生育が遅れている原因は先月、記録的に雨が少なかったこと。収穫に適したサイズになるまで待つ必要があるため、この冬の出荷量は例年の同じ時期の半分以下にとどまっているという。価格高騰に頭を悩ませているのは青果店も同じ。低価格のモットーのこちらの店、キャベツの値札は1玉350円。通常の2倍以上の価格で販売しているが原価割れしている。仕入れ値は1箱8玉入りで3500円を超え例年の3倍近くなっていて本来は1玉450円ほどで販売しないと採算が取れないというが、大型スーパーとの差別化を図っているためそこまでの値上げはできないと判断した。買い物客の女性は貴重なキャベツを余すところなく使うよう工夫している。都内のスーパーではキャベツ1玉が税込みで537円で販売されているところもあり、半分にカットしたり比較的安価な小さいキャベツを仕入れたりするなど工夫して販売しているという。