ヨーロッパを訪問している中国の習近平国家主席はフランスに続き、7日セルビアを訪れた。セルビアの次はハンガリーを訪れてヨーロッパ歴訪を終える。セルビアにとって中国はEU(ヨーロッパ連合)以外では最大の貿易相手国。習主席の訪問はNATO(北大西洋条約機構)がセルビアの中国大使館を誤って爆撃し3人が死亡してから25年の節目となる。習主席は「中国が決して忘れることのない出来事だ」と強調した。1999年5月7日NATOはコソボ紛争でセルビア軍を攻撃していたがベオグラードにある中国大使館を誤爆。中国人記者ら3人が死亡し20人が、けがをした。当時の米国のクリントン大統領は情報に間違いがあったとして誤爆を謝罪した。2016年、セルビア東部のスメデレボ製鉄所はずさんな経営で破綻寸前だったが中国企業の河北鋼鉄グループがセルビア政府の協力を得て傘下に収めた。7年間、赤字続きだったスメデレボ製鉄所は半年以内で黒字転換した。5000人の雇用が守られセルビアいちの輸出企業となり従業員らには習主席自身から希望の手紙が送られた。こうして、中国とセルビアの間に厚い友情を生み出した。誤爆事件から25年となった7日、セルビアに到着した習主席は「筋金入り」という表現で友好関係を強調した。ベオグラードの空港に降り立った習主席には赤い絨毯が敷かれブチッチ大統領がみずから出迎えるなど手厚い歓迎を受けた。習主席には彭麗媛夫人、王毅外相ら総勢400人が同行した。首脳会談では貿易問題などがテーマで去年は、ブチッチ大統領が北京を訪問し今年7月に発効する自由貿易に関する合意など18の文書に署名した。