去年初号機が打ち上げに失敗した日本の新たな主力ロケット「H3」2号機の打ち上げが明日に迫り、発射場がある種子島には大勢の宇宙ファンが集ってきている。西之表港には午前中、高速船が到着すると、ロケットの撮影機材を抱えた人達が次々に降りてきた。「目指せ宇宙」と書かれたボードを持ったファンなどが訪れた。「H3」2号機はあす午前9時22分に種子島宇宙センターから打ち上げ予定で、今日午後には機体が組み立て棟から姿を表し、発射地点に移されることになっている。H3は去年3月に初号機が打ち上げられたが、2段目のエンジンが着火せず打ち上げに失敗した。このためJAXAは当時の飛行データなどを元に原因究明を進め、部品検査を強化するなど対策を講じてきた。JAXAによると明日の打ち上げ時間帯は概ね晴れで、気象条件は問題ないという。2号機には小型衛星2機が搭載され、地球周回軌道に投入する他、特殊な構造物を載せて衛星を分離する動作の実証を行う計画だ。H3は現在運用されている主力ロケット「H2A」に代わる日本の新たな主力ロケットで、JAXAと三菱重工業が10年前に開発に着手した。日本の大型ロケットとしては30年ぶりの新規開発で、開発費用は2000億円を超えている。民間企業の参入で、宇宙ビジネスをめぐる国際競争が激しさを増す中、今後の日本の宇宙開発の行方を左右するH3の打ち上げが初めて成功するか注目される。