2024年9月22日放送 14:00 - 14:58 NHK総合

ニュースなるほどゼミ
どうする人口減少 地方の未来は[字]

出演者
片山千恵子 高橋克実 ファーストサマーウイカ 宇治原史規 
(ニュースなるほどゼミ)
深刻な人口一極集中 どうなる?地方都市

日本の人口減少問題。去年1年間で日本人はおよそ86万人減り調査開始以来、減少数・減少率とも最大を記録した。中でも深刻なのは、東京一極集中による地方の急激な人口減少だ。行政サービスやインフラを維持できなくなるおそれも出ている。さらに、地方から東京に移り住んだ女性が戻っていないというデータも。岐阜出身の女性は「女の子は活躍できないんだと地方にいたときは思っていた」などと話した。そんな中、これまでのやり方を変えたことで住みやすい街に変貌した地方がある。私達の故郷はどうなる?人口減少社会を生き抜くヒントを探る。

キーワード
総務省
どうする人口減少 地方の未来は

「どうする人口減少 地方の未来は」についての解説。7月に総務省が発表した統計だ。それによると去年から今年にかけて日本人の人口が増えた都道府県は東京都のみ。ほかは全て減少している。出身が新潟県三条市の高橋は連続テレビ小説の「虎に翼」でも三条市の弁護士役をする杉田弁護士だ。高橋は「(新潟)歩いている人がかなり少ないかんじはする。若い時は田舎にいるのがいやでいやで目的もなくとにかく東京に行きたいだけだった。」などと話した。また「NHKの放送局も見に来た。”聖地めぐり”みたいな」などと話した。宇治原は「大阪出身で11年くらい広島で育ってる。地方都市が東京に対抗できるパワーがないと本当に東京一極になってしまう。大阪市出身でも東京へは行く。」などと話した。経済担当の岸さんは「女性が一生のうち産む子どもの数の指標は過去最低の1.20去年。このままいくと2100年にはおよそ6300万人まで日本の人口は減ってしまうのではないかと国の推計も出ている。」などと話した。きょうのテーマは「社会減」。人口減少には、亡くなる人の数が生まれる人の数を上回る「自然減」と引っ越しによる人口の移動で転出者が転入者を上回る「社会減」というのがある。地方では20代から30代の若い人たちが東京をはじめ、大都市圏に転出している。この社会減が深刻になっている。

キーワード
三条市(新潟)厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所大河ドラマ 光る君へ大阪市(大阪)広島市(広島)東京都清少納言総務省連続テレビ小説 虎に翼高橋克実

地方で人が減ってしまうと困ることが出てくる。政治担当の相澤さんは「学校が統廃合される。バス・電車の公共交通機関が廃止されると買い物や病院に行きづらくなったりすることが起きてくる。ほかにも税収が減ると道路・水道・ごみ処理・公園管理・消防・救急・住民サービス全体の維持が問題になってくる。」などと述べた。国は特にこの10年間は担当大臣をおいて産業振興など移住を促進したり、少子化対策としても待機児童の解消や幼児教育・保育の無償化なども進めてきた。しかし、東京圏などの一極集中などの大きな流れを変えるには至らなかったという。岸さんは「自治体に補助金などという形で支援するが(自治体どうしの)人の取り合いが起きて日本全体の人口が増える政策につながらない。」などと話した。

キーワード
内閣府地方創生担当大臣
東京一極集中を改善 大胆なアイデアは?

人口が東京に一極集中しないためにどうするかをゲストにアイデアを書いてもらった。高橋さんは「地方に撮影スタジオ」。時代劇を取りに行かれる方は、1年間ほぼ京都にいたりしたという。熊本県に半導体大手の台湾企業が巨大工場を建設し、人口が増えているという。地方に企業が工場や事務所を増やすと就職することで人が集まるという。ファーストサマーウイカは「首都ローテーション」。現在、文化庁が京都に行ったり、消費者庁の一部が徳島市に行ったりなどしているがその程度で留まっている。宇治原さんは「首都も分散」。東京圏への流入が、バブル期に男性が多い。ところが、2010年以降女性が男性を上回っている。

キーワード
京都市(京都)和歌山市(和歌山)徳島市(徳島)文化庁東京都消費者庁 新未来創造戦略本部総務省菊陽町(熊本)
緊急街頭調査 なぜ地方を離れて東京へ?

なぜ女性たちは東京へ行くのか街頭調査。「東京は憧れる」「地元は不便」「仕事がない」などといった声が聞かれた。話を聞いた中、はっきりと地元に戻りたいと答えた人は11人中1人だった。

キーワード
奈良県愛知県熊本県静岡県
なぜ地方を離れるのか?地方出身女性「本音」座談会

女性たちに地方はどう見えているかを地方出身の女性たちに集まってもらった。地方に帰らないのは何が要因?という質問に、「遊ぶ場所がない」「青森に初めてスタバが出来たときめちゃくちゃ行列で、これが娯楽なんだと思った時に悲しくなった」という。山本さんは、就職活動を地方と東京でしていたが、地方の方が露骨な差別があったという。Webデザインの仕事をする傍ら、地方で暮らす女性の不満や悩みに耳を傾け動画にして発信する活動をしている。これまで70人以上にインタビューしてきた。心に残る言葉は、大学生が東京に行きたいと言ったら「女の子なんだから危ない」と言われて、地元に残ったら閉塞感を感じて女の人はどこに行けばいいんだろうと思ったというのが印象深かったという。山田さんもコミュニティーの狭さは感じていて、その場にいない人たちの話もすぐ広まってしまうという。独りで30歳で岐阜となると、周りから変な目で見られるという。石田さんは、地方は代々同じ考えを守り続けるというか新しいことを受け入れないというところがそこに繋がってると感じているという。山本さんは、人口減少ということで女性が戻らないという問題が取り沙汰されているが、どう増やすかよりも今いる人がどう幸せに生きられるかという方に議論を進めてほしいという。その土壌ができてから子どもを持とうとか思えるのではという。

キーワード
LINEスターバックスコーヒー山本蓮山梨県山田莉子岐阜県東京都石田麻美青森県
なぜ地方を離れるのか?地方出身女性の声

人口減少問題と地方の未来について考える。「なぜ女性たちは東京へ行くのか?」について高橋克実さんは「田舎にいると。(食べに行く)飲食店も決まってくる。新しい店が出来たらといえばまたそこに行くけど、その店を出している人もよく知っている人だったり」などコメント。地方女子プロジェクトの声を紹介。「東京が令和だったら、地方は江戸時代だなって」という声について「明治ぐらいでいい」というスタジオコメント。また「地域の行事で料理を準備したり、忙しそうなのは女の人。男の人は座って食べて飲む。女の子なんだから気の利く人間になりなさいと言われ女の人って生きづらいと感じた」という声について宇治原さんは「お金よりもこっちの方が大事。いま20代、30代が言われている。この人たちが自分の子どもに言わないかどうかというのが大事。いい面もあってお互いを助けあったりとか子どもを見ておいてあげるとか」などコメント。

キーワード
大阪府岐阜県東京都
東京で仕事場見学 地方の女子高生に密着!

8月下旬、東京での進学や就職を考えるための見学ツアーに参加した地方の女子高校生8人に密着(NHK解説委員・木村も同行)した。女性エンジニアが活躍する大手IT企業(東京都渋谷区)を見学。ツアーに参加した高校2年生・為積緑さん(広島出身)は、ツアーに参加して「東京に行く気はない」から「東京で経験を積んで地元に戻りたい」と考えが変わったという。「若い世代が地方から流出して戻らないがそれを若い人はどう思うのか?」と質問されると為積さんは「若者が首都圏に行って地方が廃れていくのは悲しいと思う。でも自分の進路となると地方に残ろうとはならないのが難しい。でも東京で死ぬまで暮らそうとかは絶対なくて。自分の経験を積んで地元に戻れるようになったら戻る」などコメント。高橋克実さんは「(自分の場合)東京でてきたときには、わあやったあとそれが続いていたが、あるときからちょっと静かなところに行きたいとなった」などコメント。

キーワード
三条市(新潟)兵庫県大阪市(大阪)宮崎県富山県広島県愛知県日本放送協会渋谷(東京)石川県
地方女子に東京見学 主催のねらいは?

今回のプログラムを企画したのは地方の高校生を支援している学生グループ。その代表を務める大学4年生・川崎莉音さんは「大事なのは選択肢。1回東京に出る選択肢も“アリ”。その上で最終的にはそれぞれの地域に帰ることを女性が選んでいく方が、絶対に良い地域になる」などコメント。

キーワード
東京都
“自ら地方に帰る” 地方女性に選択肢を

地方女性は選択肢が必要だという。地域にとってもWin-Winになることが重要だ。女子高生は地方がイヤダということではないという。起業したいという声もあるとのこと。

“女性が働きやすい街”酒田 カギは「家事シェア」

山形県酒田市にやってきた。山形県酒田市の取り組みをNHK解説委員・相澤が取材。酒田は県内第3の都で、平成29年に「日本一女性が働きやすい街を目指す」と宣言し様々な施策を行っている。市の取り組み「家事シェアチェック宣言」に参加している森夫妻を紹介。この取り組みは食事や掃除、洗濯などの家事をどちらが担当しているかチェックし、理想の家事シェアを考えるきっかけにしようというもの。市は家事シェアに住民が参加しやすくなるよう、地元企業への奨励金交付などで協力を呼びかけ、時短勤務や育児施設の導入を進めるなど仕事と家庭の両立を推進。賛同する地元企業は今や140超で、徐々に成果も見えるようになってきた。女性が働きやすい街を実現するための課題について、矢口明子市長は「意識改革が一番難しい。三世代同居の地方都市の年配の人には“息子に家事をさせるのか”という、口に出さずともそういう雰囲気がある。家事シェアは女性活躍施策と一番重要な柱」と語る。家事シェアチェック宣言にはスマートフォンで参加可能。8月は約150世帯が参加。参加世帯が市に提出した「今後の家事シェアの目標」の一部を紹介。「女性が働きやすいまちはみんなも働きやすいまちにつながる」という。

キーワード
JR酒田駅酒田市酒田市(山形)
地方も変わる 家事シェアで意識改革

家事シェアチェック宣言はスマホで参加が可能だ。8月は150世帯が参加。家事代行サービスは、自分でやったほうがいいという意識が邪魔してしまう。家の中に人が入ってくるのが嫌な人もいる。人が来るから片付けをする。今後の家事シャアの目標をまず提出する。働き方、企業側の意識改革もセットでないとうまく回らないという。男性は消防団に入るなど地域でもやることがあるという。酒田市は「女性が働きやすい街はみんなも働きやすい街につながる」という意識があるという。価値観に合わせた工夫が必要だとのこと。好きで会社に行っている人はいないとファーストサマーウイカさんが言う。

キーワード
大阪府酒田市酒田市(山形)
“住みたい田舎1位” 琴浦町 移住受け入れ成功の秘密は?

人口減少を食い止めようという鳥取県琴浦町の取り組みを取材した。宝島社「住みたい田舎ランキング(人口1万人以上の町)」2年連続1位など、近年移住者が増え続けている。8月の最後の週末に行われた「古布庄夏祭り」の様子を紹介。オリジナルクラフトビール製造&販売の万代裕貴さん(福岡県から移住2年目。住民が積極的に話しかけてくれてコミュニケーションが増えた)、陶芸店オープン予定の諸岡雅樹さん(神奈川県から移住4年目。新しい物事や人を面白がる人が多い。他人行儀ではなく冷たくもない程よい距離感)のケースを紹介。県外からの移住者は5年前に比べ1.5倍以上。「琴浦ポレポレな暮らし」代表・馬野慎一郎さんを紹介。建設会社を営んでいるネットワークを活かし空き家を探して改装、町役場とも連携し移住者を呼び込み、生活の悩みを聞いて街に溶け込めるようサポートも行う。紆余曲折経て辿り着いた答えは「がんばりすぎない」。2024年8月、移住者と地元住民が協力して実現したイベント「気球フェス」が行われた。フェス賛同者を集めた田口友香さん(兵庫県から移住2年目)のケースを紹介。琴浦町では住民の声を街づくりに活かしてきた。町が開催したワークショップ「10年後の琴浦をどうしたい?」の様子を紹介。オンラインで住民の意見を集めるシステム「市民参加型合意形成プラットフォーム」を今年から導入(アプリ開発・栗本拓幸さん)。子供も学校を通じて登録、投稿可能。町では今後も様々なツールを活用して住民の考えを町づくりに反映させていく方針。

キーワード
兵庫県古布庄(鳥取)大阪府気球フェスin惑星コトウラ熊本県琴浦ポレポレな暮らし琴浦町役場琴浦町空き家ナビ神奈川県福岡県香川県
地方も変わる 移住者と共存する町へ

移住者の支援をしている人たちの飲み会を行っているという。居場所をつくりたいという主催者。受け入れる側のフォローが大切だという高橋さん。

人口減少社会を生きる 私たちの理想の暮らしは?

「人口減少社会における理想の暮らし」とは。ウイカ「ひとまずお金のことで頭がいっぱいにならないくらし」、高橋「東京70区」、宇治原「家族で多地域居住」。「二地域居住」という考え方、徳島県の「デュアルスクール」(区域外就学制度を活用、住民票を移さずに都市圏の子供が県内の学校で学べる)について。「東京一極集中にさせないか」だけでなく「東京出身者をどうやって地方に引っ張るか」。双方が行き来できる社会をどう目指すか。

キーワード
デュアルスクール徳島県東京都

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.