岩谷産業はきのう、沖縄のスタートアップと共同で、果物の皮でできた環境に優しい新たな保冷剤を開発したと発表し、すでに無印良品で先行導入されている。保冷剤事業初参入となった岩谷産業によると、これまでの保冷剤の場合、石油由来のもので廃棄は焼却処分か埋め立てとなっており、脱炭素の観点からバイオマスを使用することで環境負荷の低減につながるという。この保冷剤は果物の皮からできた吸水ポリマーのため、二次利用として家庭の鉢植えやプランターなど菜園で使えるようになっている。開発のきっかけは「EFポリマー」というスタートアップの技術だった。このポリマーを開発したスタートアップ「EF Polymer」は沖縄科学技術大学院大学(通称:OIST)の中に拠点があり、創業者兼CEOはインド出身のナラヤン・ラル・ガルジャールさん。EFポリマーは果物の皮からできており最大100倍程度の水を吸収する環境に優しい吸水ポリマーとして注目を集めている。このポリマーは水が少ない土地でも作物が育ちやすくなる農業資材としてすでに沖縄など各地で使われ始めている。ポリマーが根の周りで水分を保ち作物が育ちやすくなる仕組みだ。EFポリマーは岩谷産業とともに「年間10億個」規模の保冷剤市場で2年後にシェア1割を目指している。