番組では実際に値上げに踏み切った埼玉県戸田市を取材した。その背景にはやはり水道管の老朽化があった。今年1月、市内の道路で突然、水道管が破裂、5メートルもの高さの水が噴き出した。破裂したのは50年以上使われた水道管、現場は大型トラックが多く通る道で走行する際の振動が影響し破裂したと考えられている。戸田市役所・水安全部・総務課・柴崎健太主幹に実物を見せてもらった。表面は茶色くさび、2か所に大きな穴、水道管の内部はいったいどうなっているのだろうか。その内部を見てみると特に目立った腐食もない状態。事故で破裂するまでは特に問題なく使用されていた。戸田市では耐用年数40年を超える水道管がおよそ3割、更新が進まなければ破裂などのリスクが増すばかり。しかし更新のネックになっているのが現在の水道料金にある。水道管の更新は水道料金の収入で行うルールだが、現在の料金では更新は難しい状況。市の水道事業は20年以上赤字の状態。さらに現在自治体の水漏れ調査は地面に耳を当て音で漏水を確認する手作業が主流。これでは発見に時間がかかることから広範囲にわたる調査が可能なのは財政的に余裕のある自治体に限られている。その更新費用を賄うために戸田市は29年ぶりの水道料金値上げを決断、来月からおよそ3割増しとなる。