海で最も危険な夜、つまり死を意味していた。慎太郎は死を恐れるようになっていったのだ。余命宣告後、「死ぬのはつまんない」と語るようになった。誰よりも生を楽しんだ慎太郎にとって死=つまらないもの。2021年12月31日、父と大晦日を過ごすことに。夕食後、すぐ寝ようとする父に話をしようと持ちかけるも偉そうだと叱られた。だが良純は嬉しくなり父の言葉を書き留めたという。2022年1月下旬、体調はさらに悪化し寝たきりとなった。亡くなる2日前、顔を一目見ようと立ち寄った良純に生涯忘れられない出来事が。体の自由が利かないことへの苛立ちの行動を見せ「それでこそ石原慎太郎だ」と良純は思った。2022年2月1日に亡くなり、電話で知らせを受けた良純は悲しみよりも驚きが先に出た。石原慎太郎は闘病中、周りの人に何度も話した言葉がある。