今、急増しているという広告ばかりの迷惑サイト。その実態とは。実際にネット上で掲載されていた記事の見出しを紹介。目を引くような刺激的なことばの数々が並んでいる。見出しにつられて実際に開くと、記事の本文の前に広告がある。関連する記事の部分はごく一部で、続きを読もうと次のページに移っても画面のほとんどを広告が占めている。そのつど広告を消さないと記事が読めないようなつくりだったり、そもそも記事自体の情報性がなかったりもする。つまり刺激的な見出しで開かせて広告収入を得るためだけに作られていわば迷惑サイトといえる。迷惑サイトに誘導するX投稿で同様のサイトへ誘導するSNS上の投稿の数は急激に増えている。増加する迷惑サイトに関してユーザーはどう感じているのか。「困る」「イラッとする」「見る気なくす」などの声が街なかでは聞かれた。迷惑サイトが増えている背景には、ネット広告ならではの仕組みがある。ネット広告は配信プラットフォームに掲載を依頼、年齢などのターゲットを指定する。プラットフォームはアクセスなどからユーザーに対して広告を提示する。これは運用型という仕組みで広告効果が高いため、ネット広告のほとんどがこの方法で掲載されている。一方でデメリットもある。それは広告を掲載する先を選べないという点。そのため、迷惑サイトの広告枠にも広告が表示されてしまう。広告が表示、もしくはクリックされるたびに広告主は広告費を支払わなければならない。広告費はプラットフォームを経由して、迷惑サイトの運営者に支払われることになる。では迷惑サイトを作っているのは誰なのか。
広告ばかりの迷惑サイトの実態などを調査している東京都港区の会社。この会社の試算ではこうしたサイトには年間200億円の広告費が流れ込んでいる可能性があるという。広告不正対策ツール開発会社・プロダクト開発責任者・赤石暁さんは「テンプレートがあれば機械的、自動的に作ることができる。生成AIが出てきたことで、コンテンツ自体も自動的に生成することが可能」と解説する。では、サイトを作っているのは一体何者なのか。NHKは、先ほどの会社が広告ばかりだと判定したウェブサイトのうち、比較的新しい700件余りを独自に分析。著名人のゴシップについて過激な見出しや記事を複数掲載し、中には画像などが無断で転載されていると見られるものもある。これらのサイトのデータを解析すると、日本人の女性らしき名前と都内の住所が見つかった。その場所を訪ねると、そこはある事務所。女性についてはかつてここで働いていたものの、サイトのことは知らないと話した。さらに、女性は中国のネット広告会社の日本法人の代表だったことが判明。所在地を特定して訪ねたが反応はなく、何度か接触を試みたが話を聞くことはできなかった。迷惑サイトに自社の広告が経営された企業は危機感を強めている。東京都新宿区の人材サービス会社は、転職や求人などの広告が掲載されていることに気付き、対応に追われている。迷惑サイトへの広告掲載をブロックする対応を取ったが、対応していなければむだになった広告費は月におよそ1000万円に上ると試算している。担当者は広告を出す企業の側も足並みをそろえて対策に乗り出す必要があると考えている。
広告ばかりの迷惑サイトの実態などを調査している東京都港区の会社。この会社の試算ではこうしたサイトには年間200億円の広告費が流れ込んでいる可能性があるという。広告不正対策ツール開発会社・プロダクト開発責任者・赤石暁さんは「テンプレートがあれば機械的、自動的に作ることができる。生成AIが出てきたことで、コンテンツ自体も自動的に生成することが可能」と解説する。では、サイトを作っているのは一体何者なのか。NHKは、先ほどの会社が広告ばかりだと判定したウェブサイトのうち、比較的新しい700件余りを独自に分析。著名人のゴシップについて過激な見出しや記事を複数掲載し、中には画像などが無断で転載されていると見られるものもある。これらのサイトのデータを解析すると、日本人の女性らしき名前と都内の住所が見つかった。その場所を訪ねると、そこはある事務所。女性についてはかつてここで働いていたものの、サイトのことは知らないと話した。さらに、女性は中国のネット広告会社の日本法人の代表だったことが判明。所在地を特定して訪ねたが反応はなく、何度か接触を試みたが話を聞くことはできなかった。迷惑サイトに自社の広告が経営された企業は危機感を強めている。東京都新宿区の人材サービス会社は、転職や求人などの広告が掲載されていることに気付き、対応に追われている。迷惑サイトへの広告掲載をブロックする対応を取ったが、対応していなければむだになった広告費は月におよそ1000万円に上ると試算している。担当者は広告を出す企業の側も足並みをそろえて対策に乗り出す必要があると考えている。