公演を控えて、稽古場では通し稽古が熱を帯びていた。仲代達矢さんに生い立ちとルーツを訪ねた。仲代さんは1932年生まれで、母である愛子さんが薬屋を営んでおり、父である忠雄さんは運転手をしていたという。仲代さんはこれまで役者を続けられたのは父と母のおかげだと語った。父の死後、母が一生懸命働き生活をしていたという。仲代さんも千歳高校時代から働きに出ていたという。ある人からの提案で俳優になることを進められ、その後、俳優座に応募したことがスタートだと話した。仲代さんは妻である宮崎恭子さんについて、同じ京王線沿線の電車で出会ったのが馴れ初めであり、帰りの電車で出会ったことで話すようになったという。宮崎恭子さんは役者だけでなく演出なども行っていた。仲代さんは無名塾を始め、宮崎さんと一緒に若手の役者に稽古をしていたという。また、稽古後に仲代さんは宮崎さんに、「気持ちよくやってね、最後は。」と言われ、緊張感が緩和されたという。そして、「いい役者よ。あなた。」と言われると自分はいい役者だと思えたと話し、それは彼女なりの演出のひとつなのではないかと話した。仲代が公演で地方に回っているときも、宮崎さんは全公演みていたという。宮崎さんの死後、29年が経つが宮崎さんとの思い出は昨日のように思い出すと語った。宮崎さんは、生きている限りはずっと無名塾をやっていこうと思っているが、皆の協力を得てやっていると話した。仲代さん歌った「あなたのその手」は、宮崎さんが作詞をしており、映画界を背負う一人になっていた35歳の仲代さんに贈られた、宮崎さんからのラブソングだった。
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