きのう、厚生労働省が5年に1度の財政検証を発表した。会社員と専業主婦の夫婦世帯をモデルとした年金給付水準は、経済成長率がここ30年と同程度だった場合、現在65歳なら月額22.6万円で、所得代替率は61.2%となる。現在50歳なら、月額21.7万円で、所得代替率は56.7%となる。現在40歳なら、月額21.2万円となり、現在30歳なら、月額21.3万円となる。井出は、高齢者の割合が将来的に下がれば、支給額はごくわずかだが増えると試算されているが、年金給付を抑制する仕組み「マクロスライド調整」が続いているため、年金額は目減りしていくなどと話した。井出は、モデルとしているのは、夫婦の片方が働いている世帯だが、共働きの世帯が増えているため、家計としては、年金給付額は試算よりも多くなる、自分の世帯に当てはめてチェックしてもらいたいなどと話した。女性と高齢者で働く人が増えたことで、今回の試算は、前回よりも改善したという。合計特殊出生率は、2070年度には1.36となるという試算のもとで、計算されている。厚労省は、保険料の納付期間を45年間に延長することを検討していた。背景には、高齢者1人を支える現役世代の人数が減少していることがある。財政検証の結果が前回よりも改善したことから、今回の制度改正では、延長を見送る方針となった。井出は、年金はもらえたとしても、満足な老後を送るには十分な額ではなく、自分でも備えておく必要があるなどと話した。2023年には、高齢夫婦の生活費は、1か月で約26万1000円とされている。