先週、東京・新橋で仕事をテーマに30人にインタビューを行った結果、半数以上が転職の経験者だった。今回は「50代前後のミドルシニアの転職」について見ていく。59歳のとき、前の会社を早期退職して転職した男性は大学卒業後、大手印刷会社に就職し趣味は仕事といえるほど熱中した。40代後半に事業の責任者を任されたが55歳ごろから役職定年が迫ってきたことで気持ちに変化が生まれた、セカンドキャリアを考えセミナーにも参加。数年間悩んだ末、中小企業に転職する道を選んだ。ただ、ミドルシニアの転職は容易じゃない現実もある。55歳の男性は30年以上、都内のメーカーに勤めてきた。しかし、この数年、人生100年時代ということばをよく聞くようになり自分の経験を社会により役立てたいと強く思うようになった。しかし、男性の転職活動にはさまざまな壁が立ちはだかった。1つは年齢による少ない採用枠。50社ほどに応募したが、面接まで進んだのは2社だけだった。さらにもう1つ、給料も。提示された待遇は今の給料の半分程度だった。定年まで残り5年、家族や老後は大丈夫なのか。今、踏み出すか迷っているという。早期退職を選んだ男性の転職先は都内にある従業員およそ80人の中小企業。給料は当初、半額ほどに減った。人員の規模も以前の会社と違い成果を出すことは簡単ではない。それでも悩み抜いた経験は自分にとって必要だったと感じている。