去年産のコメの供給量が思ったよりも少なかった一方で、消費は堅調で在庫がいままでで最も少なくなっている。ただ農林水産省は、逼迫している状況にはないと説明していて、消費の現場とは温度差がある。コメが余っているかどうかの指標となる在庫の量を見ると、2020年から新型コロナの影響で消費が低迷したため、ごはん用のコメの生産を抑えるように働きかけ、その結果3年間で60万トン以上減っていた。その分、家畜のエサ用などごはん以外に振り向けたり、小麦や大豆の生産などを促したりした。去年からことしの生産と消費の状況が、どちらも想定していなかったことが起きた。去年の猛暑でコメの細胞にデンプンが充分に詰まらない白未熟粒が増えた。特に日本一のコメどころ・新潟県が打撃を受けた。そのため、収穫した分より流通するコメの量が少なくなってしまった。食料の価格がずっと上昇してきた。特にパンや麺類が上昇した。小麦の大産地・ウクライナが攻撃され、小麦の国際価格が高騰。円安も加速した。一方、コメはほとんど国内で生産されるので比較的落ち着いていた。
日本を訪れる外国人は直近の1年間で2.3倍。農林水産省は1年間で3.1万トン需要を押し上げると試算している。こうした想定していなかった要因が重なって、膨れ上がっていた在庫が急激に減って品薄感が強まった。これがいつまで続くのかは短期と中長期に分けて考える必要があるが、短期はすでに宮崎県などで収穫された早場米が流通し、今月に入ってからは全国各地で収穫が開始されている。来月になれば主産地のコメが全国に出回るようになるのでいまの状況は解消されていく。1993年にはタイなどからコメを緊急輸入するなど、平成の米騒動等と言われた。ただ、このときの作況指数は74と戦後最悪で、それに比べ去年は101と平年並み。
日本を訪れる外国人は直近の1年間で2.3倍。農林水産省は1年間で3.1万トン需要を押し上げると試算している。こうした想定していなかった要因が重なって、膨れ上がっていた在庫が急激に減って品薄感が強まった。これがいつまで続くのかは短期と中長期に分けて考える必要があるが、短期はすでに宮崎県などで収穫された早場米が流通し、今月に入ってからは全国各地で収穫が開始されている。来月になれば主産地のコメが全国に出回るようになるのでいまの状況は解消されていく。1993年にはタイなどからコメを緊急輸入するなど、平成の米騒動等と言われた。ただ、このときの作況指数は74と戦後最悪で、それに比べ去年は101と平年並み。