レスリング女子53キロ級で金メダルを獲得した藤波朱理選手。そのレスリングキャリアは父と共に歩んできた。元選手だった父の影響で4歳のときにレスリングを始める。17歳で世界選手権優勝。高校卒業後はレスリングの名門、日本体育大学に進学。父は高校の教員を辞め日体大コーチに就任。父・俊一さんは現役時代ソウル五輪の最終選考まで残るも代表には届かず。父の夢は娘に受け継がれた。昨年のインタビューで、藤波選手は「自分だけの距離がある」と語り、その感覚に関して俊一さんは相手に足を触らせないことでカウンターを仕掛けられるのだと解説、これは反復練習で身につけたものだという。選手とコーチ、父と娘、二人三脚でつかんだ夢の舞台。迎えた決勝戦、藤波選手は世界ランク1位のL. ヤミレト・ジェペス グスマンと対戦。セコンドに入った俊一さんの前で藤波選手は相手を寄せ付けない。前半を6対0でリードした藤波選手、後半も相手に足を触らせずカウンターを仕掛ける。10対0となった時点で試合終了、藤波選手は金メダルを獲得。藤波選手は試合後のインタビューで「いつも一番に思って一緒に歩んできてくれたので本当にありがとうという気持ちを伝えたい」と語った。