ことしの春闘の賃上げ率は、連合の集計で5.10と、33年ぶりの高い水準となったが、現在、全国平均で時給1004円となっている最低賃金は今年度どこまで引き上げるか、その目安が厚生労働省の審議会で議論されている。きょう開かれた2回目の審議会で労働者側は“春闘は歴史的な賃上げとなったが、社会全体に賃上げを広げていくことが必要だ。物価高が続いて、労働者の生活は厳しさを増していて、最低賃金近くで働く人の暮らしは極めて苦しい”として、大幅な引き上げを求めた。これに対し企業側は、“物価の高騰が続き、引き上げの重要性は理解しているが、中小企業では業績の改善が見られない中で、人手確保のための防衛的賃上げが続いている。原材料費や労務費のコスト増加分を価格転嫁できない企業が相当数あることを考慮するべきだ”として大幅な引き上げには慎重な姿勢を示した。最低賃金は今後、審議会の議論を経て今月下旬に全国の目安が示され、来月中には都道府県ごとの金額が決まる見通し。