福島第一原発廃炉の最難関とされる燃料デブリの本格的な取り出しに向けて東京電力は試験的な取り出しを明日から2号機で開始する。取り出し装置は伸び縮みするパイプを20メートルほどつなげた釣り竿のような構造で先端から容器の底へ向けて電動でケーブルをたらす。先端のトングのような装置で小石状のデブリを掴んで引き上げ専用容器に格納する。今回取り出すデブリは3グラム以下だという。政府東電は最長40年ですべてのデブリを遠隔で取り出すことを廃炉の目標に掲げている。しかし取り出し計画は延期が繰り返された。東電は格納容器の貫通孔周りを装置ごと覆う小部屋を設けて容器内の放射性物質が漏洩しないようにした他容器内からの放射線が作業員にあたらないよう遮蔽板を設けるなど対策をとったとしている。しかし作業員が廃液を浴びるなどトラブルが続いている。取り出されたデブリは輸送容器から取り出し電子顕微鏡でウランの密度などを測定しほかにどんな元素が含まれているか分析するという。水野解説委員は「今回の分析結果を元に地元を交えて廃炉計画の見直しに向けた議論を進めていかなければならないと思います」などと話した。