ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳代表委員たちが、帰国してから初めてとなる会見に出席した。日本記者クラブで開かれた会見で田中さんは、「授賞式のあとノーベル委員会との食事の場でフリードネス委員長から『来年受賞させようかと思っていたが、来年の運動のためにはことし受賞してもらい、世論を大きくしてほしいという思いがあった』と伝えられた」と述べ、受賞のいきさつを明かした。また授賞式の演説で原爆の犠牲者に対して日本政府による補償が行われていないことを2度にわたって言及したことについて、「民主主義の国家と国民は対等な関係であるはずなのに戦争の犠牲は国民が受忍しなければいけないというのは間違っており、それが世界にはびこっているという思いが頭に浮かび、世界に向けて戦争を作らないようにという思いを込めたことばだった」と述べた。