大手企業の間では賃上げ定着の動きが広がっている。労働組合から高水準の要求が相次いだことも一因。連合側によると労働組合が要求する賃上げ率の平均は6%を超えた。背景には物価高と人手不足がある。さらに人材の獲得不足が激しくなる中、企業も人材をつなぎ止める必要がある。一方、賃上げの原資の確保が容易でない企業もあり、さらなる生産性の向上などが課題となっている。中小企業でも賃上げの動きが広がりつつあるが、大手との格差をどこまで是正できるかがポイントとなる。連合は「中小企業の労働組合が平均6%以上の賃上げを掲げている」としているが、経営側からは「要求が高すぎる」との声が出ている。日本商工会議所によると人材確保なを目的に賃上げしてきた中小企業のうち約6割が「防衛的な値上げ」を余儀なくされているとしている。一方、中小企業庁によると、労務費などコスト増加分を価格転嫁できている割合は半分ほどに留まっている。