再審の制度は審理の進め方などが具体的に定められていないため「審理が長期化し、えん罪を晴らす妨げになっている」との指摘も出ていて、法務省の有識者会議で今後の在り方を巡って協議が続けられてきた。こうした中、法務省は最初の申し立てから40年余りを経て無罪が確定した袴田巌さんの再審をきっかけに制度の見直しを求める声が強まっていることも念頭に「着実に対応していく必要がある」として法改正の議論を始める方向で調整している。早ければ来年の春にも法制審議会に検討を諮問したい考え。再審制度を巡っては日弁連(日本弁護士連合会)が通常の裁判と同じように証拠の開示に関する具体的な規定を設けることなどを訴えている。また超党派の国会議員による議員連盟が、過去の著名な再審事件で検察の証拠開示が不十分で著しく遅かったことや検察官の不服申し立てによる手続きの長期化などを課題として議論している。