- 出演者
- 八田知大
オープニング映像。
自民党はきょう午前、税制調査会の会合を開き来年度の税制改正大綱を了承した。大綱では最大の焦点だった年収103万円の壁を見直し、先に国民民主党に示した所得税の控除額を20万円引き上げて123万円にするとしている。一方、さらなる引き上げを主張する国民民主党に配慮するため、先に3党(自公国)の幹事長で合意した178万円を目指して来年から引き上げるなどの文言に加え「自民公明両党として引き続き真摯に協議を行っていく」という文言を盛り込んだ。また公明党も税制調査会などの合同会議を開き大綱を了承した。自民公明両党はきょう午後、与党として大綱を正式に決定する運び。一方、自民公明両党と国民民主党は先ほどから幹事長が国会内で会談している。自民公明両党が税制改正大綱をそれぞれ了承したことを受けて、今後の3党による協議の在り方などについて意見を交わしているものとみられる。国民民主党の玉木代表は、3党としての到達点はその先にある、来年度予算の成立までに123万円を超える結論を出す必要があるしぜひ出して欲しいと話した。
参議院本会議では昨年度・令和5年度決算の概要の報告と質疑が行われた。この中で石破総理大臣は年収103万円の壁の見直しを巡り地方財政に与える影響に配慮するよう求める声が出ていることについて「地方の首長の心配は十分に理解できる。丁寧に応えていきたい」と述べた。またマイナンバーによる個人情報の照会システムの利活用を巡っては「一部の自治体や事務手続きで情報照会が低調となっている。1月末を目途に調査結果を取りまとめ適切に対応していく」と述べた。このほか中小企業や小規模事業者の賃上げに向けた環境整備を巡り、石破総理大臣は「サプライチェーン全体で価格転嫁を進めていくことが極めて重要だ。取り引き適正化の促進のため発注企業の価格交渉や価格転嫁の状況の公表に加え下請け法の改正も具体化していく」と述べた。
総務省によると先月の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が2020年の平均を100として109.2となり去年の同じ月より2.7%上昇した。上昇率は前の月、10月の2.3%から0.4ポイント拡大した。これは政府による電気ガス料金の補助額が減ったことなどが主な要因で上昇率の拡大はことし8月以来。生鮮食品を除く食料は4.2%上昇し上昇率は4か月連続で拡大した。主なものでは米類が63.6%上昇し、比較できる1971年以降で上昇幅は最も大きくなった。米に関連した品目もおにぎりが7.2%、外食のすしが4.3%上昇したほか、チョコレートは29.2%、コーヒー豆が24.9%それぞれ上昇した。総務省は「モノ、サービスともに原材料価格だけでなく人件費の上昇を理由に値上げする動きがみられている」としている。
再審の制度は審理の進め方などが具体的に定められていないため「審理が長期化し、えん罪を晴らす妨げになっている」との指摘も出ていて、法務省の有識者会議で今後の在り方を巡って協議が続けられてきた。こうした中、法務省は最初の申し立てから40年余りを経て無罪が確定した袴田巌さんの再審をきっかけに制度の見直しを求める声が強まっていることも念頭に「着実に対応していく必要がある」として法改正の議論を始める方向で調整している。早ければ来年の春にも法制審議会に検討を諮問したい考え。再審制度を巡っては日弁連(日本弁護士連合会)が通常の裁判と同じように証拠の開示に関する具体的な規定を設けることなどを訴えている。また超党派の国会議員による議員連盟が、過去の著名な再審事件で検察の証拠開示が不十分で著しく遅かったことや検察官の不服申し立てによる手続きの長期化などを課題として議論している。
東京電力福島第一原発の事故の除染作業で生じた土などは福島県双葉町と大熊町にまたがる中間貯蔵施設に保管されていて、2045年3月までに県外で最終処分すると法律で定められている。政府はこうした土の処分を一丸となって進めるため、すべての閣僚をメンバーとする新たな会議の初会合を開いた。林官房長官は「県外最終処分の方針は福島県が原子力災害で極めて重い負担を負っていることを踏まえたのもであり、日本全体で取り組むべき課題」と述べた上で、「土の再生利用は環境省の実証事業やIAEA(国際原子力機関)の評価などによって安全性が確認されている」と説明した。そのうえで林官房長官は土の再生利用と県外での最終処分を推進するため来年の春ごろまでに基本方針を取りまとめ夏ごろに工程表を作成する考えを明らかにし、「福島の復興に向けた重要課題の1つである土などの県外での最終処分の実現のため政府を挙げて全力で取り組んでいく」と強調した。
エンディングの挨拶。