旧ジャニーズ事務所がジャニー喜多川の性加害を認めて謝罪をしてから1年。男性の性被害に対する向き合い方が問われ続けている。NHKは、性被害に遭った人の相談先として、全国の都道府県に設置されているワンストップ支援センターにアンケート調査を実施。その結果、男性の性被害に関する相談件数は回答のあったセンターで1.5倍近くに増加したことが分かった。一方、男性の性被害への相談対応に、課題を感じると答えたセンターは9割近くに上り、支援の課題も浮き彫りになっている。今回のアンケートで課題があると回答した千葉県のワンストップ支援センター。性暴力の被害者を支援するため、10年前に総合病院の中に設置された。24時間、性被害の相談を受け付けているほか、産婦人科や精神科などの医師が連携して診察できるなど女性の被害者に対して手厚い対応ができる。男性の相談についても、性的暴行や体を触る行為など、さまざまな性被害に対応しようとしている。一方で相談員は女性しかいないため、男性は相談しづらい側面があるほか、泌尿器科など男性のための医療支援はこれからだという。
相談しやすい環境を整えようと、徳島県は従来の施設とは別に、ことし4月から男性専用の相談窓口を開設。週に5日、男性スタッフが常駐で電話や対面などで相談に対応。法律相談や医療機関への付き添い支援も行う。相談はまだ限られているが、少しずつ効果を感じているという。徳島県男女参画・人権課・森吉裕里さんは「男性の性被害者は、(相談に)非常にためらいがあると思う。寄り添った支援をさせてもらえるように、今後の活動を進めていきたい」と語った。
NHKが全国52のワンストップ支援センターに行ったアンケート調査。男性の被害に関する相談件数は、性別の内訳を回答した35のセンターだけでも、計2467件と前の年度の1.5倍近くに増加。その一方で、男性の性被害に関する相談対応に課題を感じるかどうかは、「感じる」「やや感じる」との回答が、全体の87%に上った。さらに、男性や男児の性暴力被害については、被害者および相談を受けた側ともに「大したことない、大丈夫だ」と考える傾向がいまだに強い。「学校での男児どうしの被害の相談が増えたが、まだ学校現場の先生の意識は低く、悪ふざけで済まされることが多い」などといった指摘も挙がった。この結果について、男性の性被害に詳しい臨床心理士・西岡真由美さんは「社会の思い込みも相談のしにくさにつながっているのでは。命に関わる深刻な影響を及ぼしうるが、そのことがまだ共有されていない」など述べた。
当事者からも、支援の必要性を訴える声が上がっている。中村一也さんは去年、ジャニー喜多川氏からの被害を告発。その後、子どもへの性暴力を根絶するための団体を立ち上げたほか、ほかの当事者たちと被害者の救済に向けた話し合いを行っている。中村さんは「被害にあったこともすぐに言えるような社会になってくれたら」と語った。男性への支援の必要性を多くの人に知ってもらおうと、富山県では啓発活動に力を入れている。医師やカウンセラーが毎月開催している性についての相談会。最近では、男性にも性被害の相談窓口があることを紹介。この日も、駅前で通りかかった高校生たちに声をかけていた。性暴力被害ワンストップ支援センターとやま・木村なぎセンター長は「待っているだけだと相談はハードルが高い。より相談しやすい環境、状況にしていく」と語った。臨床心理士・西岡真由美さんは「国が各センターの経験やノウハウを取りまとめて各地に共有し、相談環境の整備を支援」「男性も性被害に遭うことを、子どものころから伝えていく重要性」も指摘。
相談しやすい環境を整えようと、徳島県は従来の施設とは別に、ことし4月から男性専用の相談窓口を開設。週に5日、男性スタッフが常駐で電話や対面などで相談に対応。法律相談や医療機関への付き添い支援も行う。相談はまだ限られているが、少しずつ効果を感じているという。徳島県男女参画・人権課・森吉裕里さんは「男性の性被害者は、(相談に)非常にためらいがあると思う。寄り添った支援をさせてもらえるように、今後の活動を進めていきたい」と語った。
NHKが全国52のワンストップ支援センターに行ったアンケート調査。男性の被害に関する相談件数は、性別の内訳を回答した35のセンターだけでも、計2467件と前の年度の1.5倍近くに増加。その一方で、男性の性被害に関する相談対応に課題を感じるかどうかは、「感じる」「やや感じる」との回答が、全体の87%に上った。さらに、男性や男児の性暴力被害については、被害者および相談を受けた側ともに「大したことない、大丈夫だ」と考える傾向がいまだに強い。「学校での男児どうしの被害の相談が増えたが、まだ学校現場の先生の意識は低く、悪ふざけで済まされることが多い」などといった指摘も挙がった。この結果について、男性の性被害に詳しい臨床心理士・西岡真由美さんは「社会の思い込みも相談のしにくさにつながっているのでは。命に関わる深刻な影響を及ぼしうるが、そのことがまだ共有されていない」など述べた。
当事者からも、支援の必要性を訴える声が上がっている。中村一也さんは去年、ジャニー喜多川氏からの被害を告発。その後、子どもへの性暴力を根絶するための団体を立ち上げたほか、ほかの当事者たちと被害者の救済に向けた話し合いを行っている。中村さんは「被害にあったこともすぐに言えるような社会になってくれたら」と語った。男性への支援の必要性を多くの人に知ってもらおうと、富山県では啓発活動に力を入れている。医師やカウンセラーが毎月開催している性についての相談会。最近では、男性にも性被害の相談窓口があることを紹介。この日も、駅前で通りかかった高校生たちに声をかけていた。性暴力被害ワンストップ支援センターとやま・木村なぎセンター長は「待っているだけだと相談はハードルが高い。より相談しやすい環境、状況にしていく」と語った。臨床心理士・西岡真由美さんは「国が各センターの経験やノウハウを取りまとめて各地に共有し、相談環境の整備を支援」「男性も性被害に遭うことを、子どものころから伝えていく重要性」も指摘。