およそ2週間後にも行われる総理大臣指名選挙ではもし1回目の投票で自民と公明は石破だとしても野党の議員がそれぞれ自分の党の党首に投票をすると、誰も過半数に届かない状況になっている。こうなった場合は決選投票にもつれ込み自民、石破対立憲、野田という構図で多数を獲得したほうが総理大臣に選ばれる見通し。そんな中、今、国会議員の間で1回目から過半数の233をとるパターンとして3つの案が浮上している。1つ目は与党足す一本釣りで石破総理続投というパターン。自民と公明党で過半数に足りない分を裏金問題で非公認となった議員や無所属の議員を引き入れて更に、野党の議員一人ひとりに所属政党にこだわらずに石破総理に一緒にやりませんかと声をかけて233を目指す。それでも足りない場合、石破総理は国民民主党の政策をのむことで選挙での協力を得たいという考え。もう1つが野党の大連合。立憲、維新、国民、れいわ、共産、参政、社民。これら野党の議員を集めると235議席となる。このケースでは最も議席が多い立憲の野田代表が総理になるということが一般的。ひそかに浮上しているのが与党+国民民主党で国民民主党の玉木代表を総理に据えるという案。自民党と公明党、国民民主が連立を組めば243で過半数となる。国民民主党の玉木は現状、石破内閣と連立政権を組むことも閣僚になることも両方否定している。それだけにある自民党の閣僚経験者は「総理の座を玉木に譲ってこちらに来てもらうのも手。自民党は政権与党でいることが大切なんだからこのくらいビックリすることをやってもいいのでは」と話している。1994年当時、過半数を割って野党だった自民党は長年、対立してきた社会党と手を組んで社会党のトップ村山富市を総理に担ぎ上げることで与党に復帰した。こうしてできたのが自民党、社会党、そして今はなくなったさきがけの3党の連立政権。