シティグループ証券・阪上さんは日経平均予想レンジを30,900円~31,200円とし、「雇用統計を控えて様子見という動きになると思う。今週に入って日本株はかなりペースで調整が入ったので、そこからの反発もあるのでやや持ち直しという動きだと思う」と話した。注目ポイントには「海外投資家の先物ポジションの偏り」と挙げ、「海外投資家による先物の売買動向を見ると、7月以降は日経先物を買い、日経先物を売ってTOPIXの先物を買い越す動きが顕著になっている。日銀による金融政策変更への期待の高まりや米国の長期金利の先高感を背景に、バリュー株のウェイトが高いTOPIXへシフトする動きが強まったものと捉えられる。日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率は低下傾向にあり、これはTOPIXの強さが目立つ。ここには海外投資家の先物の動きが影響を与えている可能性もある。過去3か月の海外投資家の日経平均の売り越し学額とTOPIX先物の買い越し額の差は過去最大水準に近いところに達している。匹敵するのは2013年の動き。この頃はアベノミクスがスタートし、日銀が大規模金融緩和をし、金融等に追い風と言われたころ。その頃並のシフトが生じてしまっているということ。また、すでに銀行セクターのPBRが0.7倍まで達しているが、日銀がイールドカーブ・コントロールやマイナス金利を導入したより前の水準になっている。そうなるとここからアメリカの長期金利のピークアウトや日銀の政策変更についても少し冷静な見方が出てくるとTOPIXに偏っている海外投資家のポジションの逆流がいつ起こってもおかしくない状況だと思う。業種だとTOPIXのウェイトが高いのが自動車や金融、これらの業種がこれまでアウトパフォームしていたが、TOPIXを買う動きが止まり日経先物を買う動きが戻ると、日経平均のウェイトが高い業種・電気や医薬品の方が有望になると考えられる」と話した。