日銀が金融政策の維持を決めた。政策目標としている短期の市場金利は据え置き。長期国債の買い入れも、前回会合の方針に沿って実施するとしている。日銀の植田総裁が先月、緩和的な金融環境が続くという見解を示したあと、円安が急速に進んでいる。今後の金融政策の運営について、きょうの会見でも植田総裁は、金融政策は為替レートを直接コントロールの対象とするものではないとしたうえで「現時点では、今の円安が物価の基本的な傾向に影響を及ぼしているわけではない」という認識を示した。会見を受けて、市場では円安への対応などを巡って踏み込んだ発言がないといった受け止めが広がると、円はさらに値下がり。一方、午後5時ごろには、一時、急激に2円近く円高方向に変動。その後、再び値下がりするなど、荒い値動きとなった。市場関係者は「政府日銀による市場介入への警戒感が一段と強まっている」と話している。三井住友信託銀行・瀬良礼子マーケットストラテジストは「利上げ判断まで時間がかかると市場が見た」、NEC・森田隆之社長は「日本の国力そのものが危険にさらされるのではと危惧」とコメント。