「おはBiz」の経済部デスク・渡部圭司キャスターの解説。円相場の値動きが激しくなっているが、政府日銀が市場介入をあえて明言しない、覆面介入を行ったという見方もあって投資家と当局の間で神経戦が続いている。今後の注目は、30日から始まるFRBの金融政策を決める会合。焦点はパウエル議長の記者会見になる。この場で利下げをいつから始めるのかなど、利下げのスタンスをどう決めるのかがポイントになるが、市場ではその時期が遅れるという観測が日増しに強まっている。利下げが遅れれば、その間、米国は今の高い金利水準が続くのでドルが買われやすい状況が続く。つまり円安傾向も続くと見られるということ。米国の今後の金融政策について、FRBのリッチモンド連銀の元総裁・ジェフリー・ラッカー氏は「年内は利下げが行われない可能性が高く、利下げできても12月会合の1回だけだろう。インフレの推移を見守る必要がある」と話している。さらに元総裁は可能性は高くはないとしながらも利下げではなく利上げのシナリオもありうると話していた。政府日銀の市場介入は一時的な流れを止めることはできたとしても米国が利下げをしないと円安の局面はなかなか変わらないという見方が多い。今週の円相場はまずは米国の金融政策、それから3日金曜日には米国の雇用統計が発表されるので、米国発のニュースを注意して見ていく必要がある。