スーパー耐久・富士24時間レース。最新技術を試す検証の場。トヨタ自動車・豊田章男会長と近藤真彦は今回、レースドライバー。近藤さんは今やモータースポーツ界の顔役の1人。大会運営にも関わりながら自身も監督としてサーキットへ。SUPER GTやスーパーフォーミュラのレースに参戦し続けている。今回の車は水素カローラ。燃料は液体水素。CO2を排出しない次世代のエンジンカー。もしも実用化されればガソリンスタンドなどのインフラがそのまま使えるためEV車を超える車になり得る。未来への懸け橋を確かめるため豊田会長もドライバーの一員となって先陣を切る。24時間後のゴールへ午後3時レースは始まった。水素カローラは上々のスタート。豊田会長の運転は玄人はだし。近藤さんがドライバーを務めるのは16年ぶり。水素エンジンのロマンに引かれて引き受けた。今回のレースは順位は二の次。一番の目標はリタイアせずに完走すること。極限状況の中で水素カローラの耐久性を確かめるのが狙い。午後4時20分、水素カローラはピットイン。水素エンジンの基本構造はガソリン車と変わらない。超低温の液体水素をポンプでくみ上げそれを燃やして動力を得る。28年に及ぶ研究期間を経てレースへの挑戦が始まったのは4年前のこと。去年ついにスーパー耐久24時間レースを完走した。