阪上さんの日経平均予想レンジは32,600円~32,800円。今日の東京市場は材料が乏しいこともあり、日本株も横ばい圏の動きになる可能性が高いとした。注目ポイントは「人手不足の本格化」で、「人口減少で人手不足というのは数年前から言われてきたが、足元でいよいよ本格化してきてる。その現れが正社員シフトの動き。正社員とパート社員にかけての有効求人倍率の動きはこの2つが同水準になってきている。この動きは1970年以来で、その後はパートの方が有効求人倍率が高かったが、これが追いついてきた。また企業に対してのアンケートみても正社員の不足感が強くなっている」、「人口減少の影響を労働参加率の上昇で補うというのがそろそろ限界になってきているのがあると思う。2000年代に入って人口減少する中でも人手不足が食い止められてきたのが、女性の労働参加とか高齢者の労働参加が増えてきたから。ただ今は女性の労働参加率は75%になっていて、OECD加盟国の中でもトップクラスの水準。これ以上上がるのがなかなか難しい。高齢者の労働参加率もこの10年ほど上がってきたが、これも頭打ちになっている」、「外食や小売の企業にとっては利益の圧縮要因になると思う。あとは外国人観光客が増えても人が足りないので対応しきれない、ボトルネックの問題も出てくるので、短期的にはネガティブな材料になって来るかと思う。ただ一方で長期的に見ると、高い賃金の伸びが定着すると、サービス価格を中心にインフレが上がる。インフレが上がると名目のGDP成長率が上がる。そのことが企業の売上増加につながる。売上増加するとEPSの方も上昇する。長い目で見ると、日本株の支援材料ということになってくると思う」と述べた。