東京都美術館にて「ゴッホ展」が開催中。長年にわたってゴッホを研究する圀府寺司名誉教授によると、ゴッホは浮世絵の熱心なコレクターでもあり、画家として刺激を受けていた。「種まく人」は歌川広重の「亀戸梅屋舗」を彷彿とさせる構図だという。実際に模写もしていた。だが、ゴッホは黄緑の空、紫の大地など強烈で大胆な色使いで、独自ある作品に高めていた。クロード・モネは庭に太鼓橋、スイレンなど日本風のものを集め、散歩を楽しんでいたという。オランジュリー美術館には代表作「睡蓮」で囲まれた間がある。馬渕明子さんはパリで刊行されていた雑誌に注目。1910年に開催された日英博覧会に関する記事があり、西本願寺の菊の間が写真付きで紹介。菊の襖絵で四方を囲まれ、視点を移動させることで庭を見ながら散策しているようだという。モネは枝垂れ柳越しに見る睡蓮、水面に映った雲と睡蓮など様々な情景を描き、美術館の壁をカーブさせることで睡蓮に囲まれる没入感を高めた。