散策マップを作った明治大学の学生に神田駿河台を案内してもらう。関東大震災の4年後に復興のシンボルとして架けられた聖橋は、総武線・中央線・丸の内線の路線が交わって見える。角度や時間によって変化する風景が魅力。神田猿楽町の男坂も関東大震災後の都市整備の中で設けられた。両側には明治大学の校舎があり、「虎に翼」の主人公が通った女子部の校舎だった。続いて神田神保町で明治から続く洋食店へ。まだ屋号がなかった明治時代に学生から店名をつけてもらった。ビールの注ぎ方がこだわりで、代々店主に受け継がれている。老舗履物店店主の竜平さんは明治大学の卒業生。竜平さんは4代目佳子さんの娘と結婚した。3年前まで金融機関に勤めていたが、大学時代に慣れ親しんだこの街の伝統をつなごうと店を継ぐことにした。竜平さんは店構えを変え、気軽に立ち寄れるよう開放感のある入口にした。長年ここに座り作業をしてきた3代目の進さんヤス子さん夫婦の座り位置は変えなかった。