日本郵便はきょう、郵便料金を一斉に値上げする届け出を行った。手紙の値上げは消費税率の引き上げを除き、1994年以来、30年ぶり。日本郵便・斎藤貴執行役員は「今後とも郵便サービスの安定的な提供を維持していくためには、郵便料金の改定を実施せざるを得ない状況」と述べた。はがきは年賀はがきも含めて、今の63円から85円に。定形郵便物の手紙は重さ25グラム以下が今の84円から110円に。50グラム以下の料金が今の94円から110円に。レターパックライトは370円から430円に。レターパックプラスは520円から600円に。いずれもことし10月1日に値上げされる。今回の値上げ。郵便をよく利用する人は、どのように受け止めているのか。ブライダル関連の小物などを作っているハンドメイド作家・坂井貴菜さんは、客からインターネットで注文を受け、全国に発送。坂井さんは「注文の8〜9割はレターパックライトを使っている。追跡できるのが本当に大きい。注文件数が減ることがあるだろう」と語った。坂井さんは、今回の値上げで客の送料の負担が増えることで、買い控えにつながらないか懸念していた。今後、材料費を抑えるなどして、客の負担がこれ以上増えない工夫をしていきたいと考えている。値上げの理由について、日本郵便は郵便の利用数の減少に加え、今後も物流コストの上昇が見込まれるためと説明。このうち郵便利用数の減少は、歯止めがかかっていない。2001年度の262億通をピークに毎年減り続けていて、昨年度は135億通と、ピーク時の半分近くに減少。
郵便の利用が減少する一方で、手紙やはがきに価値を見いだす人たちもいる。企業の製品やサービスの販売促進を支援するマーケティング会社が提案しているのは、ダイレクトメールの新たな活用方法。IT会社からの依頼を受け、提案した箱形のダイレクトメール。メッセージとともに、経理担当者がよく使うパソコンのキーを模したチョコレートを同封。電子メールやSNSを活用する提案も行っているが、紙のダイレクトメールならではのよさもあるという。マーケティング会社・佐々木卓也社長は「紙のダイレクトメールは、より五感に訴える」と語った。東京・練馬区のカフェでは、郵便の利用数が大幅に減る中、特別な席がある。ガラスペンやインク。手紙を書くための専用の席。自身も筆まめだという経営者が4年前に設けたこの席では、これまでに300通ほどの手紙が書かれたという。手紙専用席のあるカフェ・井守正暁店長は「郵便料金の値上げに関しては憂いているところ。“その人の味”に関しては、手紙の肉筆に勝るものはないと思っている」と語った。
郵便の利用が減少する一方で、手紙やはがきに価値を見いだす人たちもいる。企業の製品やサービスの販売促進を支援するマーケティング会社が提案しているのは、ダイレクトメールの新たな活用方法。IT会社からの依頼を受け、提案した箱形のダイレクトメール。メッセージとともに、経理担当者がよく使うパソコンのキーを模したチョコレートを同封。電子メールやSNSを活用する提案も行っているが、紙のダイレクトメールならではのよさもあるという。マーケティング会社・佐々木卓也社長は「紙のダイレクトメールは、より五感に訴える」と語った。東京・練馬区のカフェでは、郵便の利用数が大幅に減る中、特別な席がある。ガラスペンやインク。手紙を書くための専用の席。自身も筆まめだという経営者が4年前に設けたこの席では、これまでに300通ほどの手紙が書かれたという。手紙専用席のあるカフェ・井守正暁店長は「郵便料金の値上げに関しては憂いているところ。“その人の味”に関しては、手紙の肉筆に勝るものはないと思っている」と語った。