東京都杉並区、高円寺駅から徒歩10分の洋食店・アイノワール。店を切り盛りするのは元フレンチの料理人・原賢一さんと妻・ちえさん。客のほとんどが注文するスイーツのような見た目の「ふわふわオムライス」。原さんは43歳のときに交通事故に巻き込まれ、一時は料理人を諦めることも考えた。握力は回復したがいまも両手の小指と薬指にまひが残る。ケチャップライスでは味が強すぎてメレンゲ状の卵に合わない。チキンピラフにのせたチェダーチーズをあぶり、メレンゲ状になった卵をふんわりとのせたら完成。チョコレートケーキのような「スパイシーキーマカレー」、チキンのソテーやフランスの郷土料理「キッシュ」がのった「ヘルシープレートランチ」などどのメニューもフライパンを返さずともできる料理。逆境から生まれたインパクトグルメは行列を生み出す奇跡のグルメとなっていた。