立候補の締切2週間前の先月12日。民主派政党幹部の朱子洛が初めて当選したのは4年前。投票率が過去最高となる70%を超え、民主派が圧勝した。朱子洛さんは、我々民主派の努力の結果、2021年にあの歩道橋が完成したと話す。しかし2020年香港国家安全維持法が施行され、中国の習近平指導部は愛国者による香港の統治を掲げ、選挙制度の変更を決 定した。政治のポストは親中派がほぼ独占。新しい制度では市民の直接投票で選ぶ議席の数をこれまでの定数の9割から2割以下まで大幅に削減。変わりに政府が委任する枠などが設けられた。さらに立候補するには政府が任命した委員会から3人ずつ、9人以上の推薦が新たに条件として加わった。委員会のメンバーが大半が親中派。朱子洛さんにはこの推薦が大きな壁となった。立候補の受付が始まった日、親中派は決起集会を開いた。朱さんは委員会のメンバーに推薦を求める文章を送り、なんとか数人とは面会することが出来た。しかしついに良い返事をもらえなまま立候補の締切を迎えた。結局民主ははひとりも立候補できなかった。香港の李家超行政長官は、これで区議会を利用して国家の安全に危害を加えようとする反中撹乱分子はいなくなった、などと述べた。立候補できずスタートラインにも立つことが出来なかった朱さんは、無力感がこみ上げる。
香港から西海奈穂子が中継。多くの人に共通しているのは自分が何を言おうが現状は変わらないという諦めの感情、政治への関心の低下だという。民主派を指示してきた人からすれば自分たちを代弁してくれる候補者が1人もいない状況で、立候補した親中派には前回の選挙で民主派に敗北した人たちも多く納得出来ないという声も聞かれる。李家超行政長官は先の施政方針演説で来年香港独自の条例を作り、国家の安全に危害をくわれる行為を取り締まると発表した。
香港から西海奈穂子が中継。多くの人に共通しているのは自分が何を言おうが現状は変わらないという諦めの感情、政治への関心の低下だという。民主派を指示してきた人からすれば自分たちを代弁してくれる候補者が1人もいない状況で、立候補した親中派には前回の選挙で民主派に敗北した人たちも多く納得出来ないという声も聞かれる。李家超行政長官は先の施政方針演説で来年香港独自の条例を作り、国家の安全に危害をくわれる行為を取り締まると発表した。