東京大会の開催が決定した2013年。この年、東京都の依頼でコンサルティング会社がある資料を作成していた。短期間で選手村を建設し、その後晴海フラッグに改修する難しい事業をどう実現するかあらゆる手法を検討していた。最終的に東京都が選択したのは民間の資金やノウハウを活用できる市街地再開発事業だった。東洋大学の大澤昭彦准教授はこの手法は参入する民間にも利点があると指摘する。当時の事情をよく知る都の元幹部は、企業に手を挙げてもらって、特に五輪までに間に合わせる、しっかり作り上げることが当時はいちばん需要だった、などと明かしていた。