開幕が近づくパリ大会。きょう注目するのはバドミントン男子シングルスの西本拳太、29歳。日本の絶対的エースだった桃田賢斗と同い年で切さたく磨してきた。代表引退を表明した桃田への思いを胸に初めてのオリンピックに臨む。バドミントン・パリ五輪代表・西本拳太「僕がいちばん大事にしていることは、諦めなければ夢はかなう」と話す。29歳で初めてつかんだオリンピック代表の座。成長の糧にしてきたのが同い年のライバルの存在だった。かつて世界のトップに立っていた桃田。日本のエースとして東京オリンピックに出場。西本は同じ舞台に立つことはできなかった。パリ大会に向け力を入れたのが過酷な選考レースを戦い抜くための体作り。みずから所属チームにかけ合い、食堂で1日3食。アスリート用の特別メニューを提供してもらうことに。東京大会の前10%余りだった体脂肪率は8%ほどに減少し筋肉は増えた。技術面では相手のショットへの対応を強化。一方、桃田選手は思うようなプレーができず4月、代表引退を決断。その翌月、西本は初めてのオリンピック出場を決めた。粘り強いプレーを続け、1年に及んだ選考レースを勝ち抜いた。西本はSNSに桃田へ「本当にお疲れさま。本当にありがとう」と投稿。桃田からは「マジでありがとう。応援してる」。そのことばを胸にパリの大舞台に挑む。