航空ショーを開催したきょう、中国軍が戦闘機や無人機などを台湾周辺の空域に進入させたとして、台湾は警戒を強めている。中国が軍事的な圧力を強める中、台湾は日本や米国のトランプ次期政権とどう関係を築こうとしているのか。キーパーソンの1人、台湾・李逸洋駐日代表に聞いた。李代表は2000年代に民進党政権の閣僚などを歴任。その後、台湾・蔡英文政権では、総統府の上級顧問などを務めた。台湾・頼清徳政権の発足を受けて、ことし9月、駐日代表として東京に着任。李代表は「台湾と日本の良好な関係を維持するだけでなく、さらに前進させ、全面的に友好関係を深めることが私の役目」と語った。台湾統一を目指す中国・習近平国家主席。台湾・頼清徳総統の就任以降、中国軍は2度にわたって台湾を取り囲むように軍事演習を行うなど圧力を強めている。こうした動きに対し、頼総統は両岸関係の現状を守るとして、中国をけん制。頼総統は「いかなる外部勢力にも台湾の未来を変えさせない」と述べた。覇権主義的な中国の動きには、日本や米国なども警戒を強化。9月には海上自衛隊の護衛艦が初めて台湾海峡を通過。台湾・李逸洋駐日代表は、日本との連携について「石破首相は台湾を7回訪問。彼は安全保障を非常に重視している。日本と協力して台湾海峡の平和を維持していきたい」と述べ、期待を寄せた。頼総統が対等な立場での中国との対話を求めているのに対し、中国は、1つの中国の原則を受け入れないかぎり、拒否する姿勢。どう対話を実現していくのか。李代表は「中国と対等で尊厳のある対話をしたい」、台湾海峡の現状維持を図るためのカギは?「世界の民主主義国家の努力が必要。中国に対し、この地域の現状変更は不可能だと示すこと」と語った。中国の圧力に対抗するうえで、台湾にとって重要な後ろ盾となる米国。次の大統領にはトランプ前大統領が就任する。台湾・李逸洋駐日代表は「トランプ新政権のリーダーシップのもと、世界情勢がよりよくなると期待している」と述べた。トランプ次期大統領は選挙期間中、「中国が台湾に侵攻すれば、150%〜200%の関税を課す」と述べて中国をけん制。一方で、台湾の半導体産業の躍進によって、米国が不利益を被っているという考えを示すとともに「台湾は米国に防衛のための費用を支払うべきだ」とも主張。李代表は「台湾と米国の関係は、米国の台湾関係法で定められている。米国は十分な防衛のための武器を供与しなければならない。米国と日本からより一層支援が得られることを期待している」と述べた。李逸洋駐日代表は世界の最先端半導体の90%を供給しているという台湾メーカー・TSMCが熊本県に進出したことに触れ、経済安全保障における日本と台湾の連携の重要性を日本語で「もし中国が台湾を封鎖すれば、世界が大きな損失を受ける。(日米などと)民主主義の保護の傘をともに広げ、地域の平和と世界の繁栄をともに守っていきたい」と強調した。今回のインタビューでは、中国に対処するためにも、日本、米国への期待の強さがうかがえた。トランプ氏は国務長官に対中強硬派のルビオ上院議員を指名する方向で検討していると報じられている。大統領補佐官にも対中強硬派のウォルツ下院議員を起用する方針で固めたという。
住所: 東京都大田区羽田空港3-3-2
URL: http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/
URL: http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/