2035年度までの温室効果ガスの新しい削減目標は、来年の2月までに国連に提出するよう求められており、国は2013年度比で60%削減するという案を軸に検討を進めている。この目標について、きのう研究者や若者の団体などが都内で緊急の集会を開いて“この目標は不十分だ”として引き上げを訴えた。地球環境戦略研究機関の岩田生リサーチマネージャーは、“パリ協定で掲げている世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑えるという目標を達成するには日本は66%の削減が必要だ”としたうえで“先進国がリードしなければ、世界全体で1.5度に抑える目標を達成するのは難しい”と指摘した。また、東京大学の江守正多教授は、“日本の目標案は先進国の責任を考えると全く足りない状況”、若者団体のメンバーで大学生の芹ヶ野瑠奈さんは、“1.5度に抑える目標は未来の私たちとの約束。もう時間がない”とそれぞれ訴えた。温室効果ガスの新しい削減目標の案をめぐっては、250を超える企業で作る団体が75%以上の削減を目標とするよう提言するなど、国に目標の引き上げを求める声が相次いでいる。