東京大学大学院の竹内昌治教授らの研究グループが培養肉の新しい製造方法を開発した。培養肉は、牛や鶏の筋肉などを人工的に増やしたもので、これまでは、内部まで栄養が届かず、細胞などが死んでしまうため、薄い肉しか作れなかった。研究グループは、分厚い肉を作るため、特殊な培養装置をつくり、栄養や酸素を通すことのできる白く細いチューブを大量に張り、そこに培養液を流す。チューブを通して栄養や酸素を送れるため、内部が新鮮なまま、肉の厚みを出せるという。現在、厚さ1センチ、約11グラムの鶏肉を約10日間の培養でつくることに成功した。培養肉は食糧難に備え、世界で開発が進んでいて、大阪・関西万博でも大阪大学などが培養肉を展示している。赤身や脂身の割合、形などを選び、好みの培養肉を家庭で作れる未来の姿を提案している。