そぼろさんのアトリエには、自身の作品があちらこちらにある。この日作るのは、最新作のおまんじゅうシリーズ。生まれて間もない雛鳥がモチーフになっている。ぬいぐるみづくりは独学で、型紙を生地に写すのもあえてざっくりと行う。綿を入れたときに個体差ができるのが狙い。かつて、そぼろさんは東京藝術大学で油絵を専攻していた。その中で、大変な社会で自分の作るものぐらいふざけていたいと考えて、初めてぬいぐるみをつくった。今回、腕や足に綿を詰めず、ふにゃっとする触り心地にした。絵の画面の中で生き生きと存在しているのを意識して絵作りする。完成したぬいぐるみは、毛並みが崩れないように棚に保管している。そぼろのつくるぬいぐるみは月に1度、SNSで販売している。