東京・上野の国立科学博物館、マッコウクジラの標本やジャイアントパンダの剥製など、500万点の文化財を収集している。こうした文化財の多くは、温度や湿度を一定に保てる収蔵庫に保管され、傷まないよう慎重に管理されている。ところが、電気代の値上げが続き、5年前は約2.2億円だった光熱費が、今年3.8億円まで急増する見込み。一時的に空調を切るなどの対応を余儀なくされているという。職場の照明や空調も消すなどしているが、資金難に直面。一時、研究費から運営費を補填する事態にまで陥った。国立科学博物館に限った話ではない。JNNが全国15の国立博物館・美術館にアンケートしたところ、高騰する光熱費で施設の運営に影響があると答えた施設は6割以上に上った。このうち、文化財の保管・収集に影響があると答えた施設も全体の2割に上っている。国の担当者は、現状に理解を示しつつも「コロナで減った入場者数も戻ってきている。国としては必要だと判断した場合には措置をしていきたい」としている。国立科学博物館は、この状況が続くと将来的に文化財の収集さえできなくなり、国の研究基盤に影響を及ぼす可能性があると訴える。
住所: 東京都台東区上野公園9-83
URL: http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/
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