学校給食の歴史を振り返り、無償化の意義と課題を考える。学校給食は明治22年に山形県で貧困児童を対象に無償で行われたのが発祥。初期は欠食児童を対象としていた。関東大震災後、東京では被災した小学校を対象に民間の募金で給食が行われ、その後全国的に給食の実施が行われたが内容は様々で地域の負担者も異なっていた。貧困児童救済のための国庫補助による学校給食制度ができたのは1932年から。戦時中は学校給食は休止状態になり、戦後は食糧事情悪化の中、子どもの栄養改善の見地から連合国からの援助物資によって都市部を中心に無償で再開。1951年にGHQの援助が打ち切られると食材費の保護者負担が導入されると共に未納者が増加。1956年の法改正によって準要保護に対する給食費の国庫補助制度が創設され、現在の制度につながっている。
かつて欠食児童を対象に限定的に始まった学校給食は、給食を食べる児童に負い目を与えないよう苦心した。現在は生活に困窮する家庭に給食費等を限定的・個別的に支援する就学援助が制度の周知不足や制度を利用することへのためらいなどからコロナ不況下でも必要な子どもに届かず制度としての限界を迎えている。少子化が進み、小中学生だけでは給食の対象者が減少するが、高校生・学童保育などにも対象を拡大することを検討すべきで、就学援助制度が十分に機能しない今日、給食費未納の子どもが給食を食べられないという事態を避けるために無償化は必然といえる。
かつて欠食児童を対象に限定的に始まった学校給食は、給食を食べる児童に負い目を与えないよう苦心した。現在は生活に困窮する家庭に給食費等を限定的・個別的に支援する就学援助が制度の周知不足や制度を利用することへのためらいなどからコロナ不況下でも必要な子どもに届かず制度としての限界を迎えている。少子化が進み、小中学生だけでは給食の対象者が減少するが、高校生・学童保育などにも対象を拡大することを検討すべきで、就学援助制度が十分に機能しない今日、給食費未納の子どもが給食を食べられないという事態を避けるために無償化は必然といえる。