梅毒は主に性交渉で感染する細菌性の感染症。薬で治療できるが、放置すると重大な症状を引き起こすことがある。また妊婦から胎児に母子感染する先天梅毒につながることもある。国立感染症研究所によると、先月30日までの今年上半期に全国から報告された梅毒の感染者数は6772人と、この時期としては去年に次いで過去2番目の多さ。都道府県別では東京都が1723人、大阪府が889人など。これは去年の同じ時期より10%前後減少している。一方で、15の県では増加している。これまで感染者が少なかった地域でも感染が広がっている可能性が指摘されている。梅毒の感染者はここ数年増加が続いている。去年1年間では現在の方法で統計を取り始めた1999年以降で最も多い1万4906人となった。梅毒に詳しい帝京大学の重村克巳教授は、“今年も高いペースで増加している”とした上で、“引き続き予断を許さない状況。予防や検査など、性感染症対策への意識を高めてほしい”と話している。