今回の修正案(厚労省資料)では、4年後の財政検証、いわゆる年金の健康診断で、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合には、厚生年金の積立金を活用して基礎年金の底上げに充てるとしている。しかし、国民民主党の森洋介議員は「将来必要になる国庫負担財源はどのように考えているのか」などと追究。法案を提出した、自民党の田村憲久元厚労大臣は「さまざまなことを勘案した上で安定財源を確保していく」などと述べた。基礎年金の財源の半分は国庫(税金)負担となっているため、底上げによって給付水準が上がると国の負担も追加で必要になる。その額約2兆円。財源をどのように確保するか、議論は先送りされている。さらに、すべての人の年金が増えるわけではない。現在男性では63歳以上、女性では67歳以上の人については、現行制度より受給額がマイナスとなり、70歳男性では総額23万円目減りするという(厚労省資料)。シニア世代の受け止めは複雑だ。