乳がん検診に導入される超音波検査は診断する医師によって検査の精度にばらつきが出ることが課題とされている。新たな取り組みではAIに乳がん患者らの画像を学習させたうえで、超音波検査で撮影した画像をチェックし、精密検査が必要と判断されるとその部分が赤枠で表示される。精密検査が必要かは最終的には医師が判断することになるが、導入前の試験ではAIが熟練した医師と同レベルで判定できた。慶應義塾大学予防医療センター・首藤昭彦医師は「1人の人間が経験できる数というのは数千、数万人にすぎない。数千万という画像の経験を持っているようなスーパーマンみたいな人(AI)が助言を与えるとしたら非常に力強い」と話した。おとといから都内で運用が始まり、順次導入を拡大していく。慶応大学教授・中室牧子は「日本人女性の9人に1人が乳がんにかかる。乳がんは40代後半が一番かかりやすい病気と言われていて、仕事も忙しく家庭もあるということで乳がん検診の受診率は50%程度しかない。AIを使って画像解析をすると検診をする人が増えれば増えるほど精度が上がって発見される確率も高くなってくる」とコメントした。
