先週まで開かれていた東京2025デフリンピック、世界81の国と地域などから参加した選手が12日間の熱戦を繰り広げた。大会に出場したウクライナの陸上選手、アナスタシア・シドレンコ選手は19歳ではじめてデフリンピックに出場し、これまで4つのメダルを獲得。2022年2月、ロシアによる軍事侵攻がはじまった。空襲を知らせる警報の音が聞こえないシドレンコさんは状況が分からず不安を募らせていったという。前回のデフリンピックは侵攻開始の2か月後に開幕をひかえ、ウクライナの選手の多くは練習や渡航費の工面で困難に直面した。そんなときにシドレンコさんにメッセージを送ったのが陸上の日本代表・岡田海緒さん。2人は表彰台を争うライバルだった。岡田さんはオリジナルのTシャツを販売し、売上をウクライナチームの渡航資金に充てる活動を開始した。支援の結果、ウクライナチームの大会出場が実現し、シドレンコさんは2つの金メダルを獲得した。東京2025デフリンピックでシドレンコさんは岡田さんと再会。2人が出場する1500mのレースにはもう1人軍事侵攻に翻弄された選手がいた。ロシア出身のユリア・アブビア・キロワさん。軍事侵攻を理由に前回大会には出場できなかったが、今回は国の代表ではなく中立な立場の個人としての参加が認められた。侵攻後初めて3人が出場したレース、アブビア・キロワさんが金メダルを獲得、シドレンコ選手は6位、岡田選手は8位となった。
